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( ^ω^)ブーンの願いは叶うようです

1 : ◆QGVrMyUvvQ :2007/12/02(日) 20:41:53.84 ID:KuGLjS1r0
今日で早くも3日目となりました今合作!
「願いは叶う」を全員共通のお題に据え、
更に各グループ毎に貰ったお題でもって書かれるいくつもの短編!!
昨日までは「黒猫」グループの物語が紡がれましたが、
今日からはグループチェンジにバトンタッチ、たすきを繋いで勝利の方程式!!

貰ったグループお題は「もう一度言って」
どんな話なのか、語り手の2人にwktkして読んでいこうではありませんか!!


なお、まとめサイトは以下のようになっております!

http://boooonbouquet.web.fc2.com/desire/mokuji.html

http://boonneet.web.fc2.com/gassaku.htm

http://hoku6363.sakura.ne.jp/sinjin-gasaku.html


実はお題にはある秘密があるようでして、何かと言うと

おっとすいません来客です。これにて失r

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:42:52.92 ID:7a3BUGcQ0
ktkr

3 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:45:35.75 ID:nOMu5+EqO
大富豪さん乙!!

『もう一度言って』グループだよー\(^o^)/

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:46:17.76 ID:gVZDtgSAO
テンションたけぇな

5 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:46:23.79 ID:nOMu5+EqO


真っ白。

地面も、そこに生えているであろう草も。
道路も、屋根も、遠くに見える木々だって。

見渡す限り、白一色。


ふわふわと優しく。

この街を染め上げた雪は、舞い降り続ける。



そんな純白の世界で、生垣に身を隠す人物が二人。


l从;・∀・ノ!リ「よーく、よーくねらうのじゃー……」

(;´_ゝ`)b「OK妹者、任せておけ……」


手袋にニット帽、厚めのコートにマフラー。
防寒具でモコモコな、妹者と兄者だ。

兄者の右手には、真っ白な雪玉が握られている。



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:47:15.02 ID:gVZDtgSAO
支援

7 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:47:46.09 ID:nOMu5+EqO


(´<_` ミ彡 ´_>`)「兄者ー、妹者ー、どこだー」


そして二人の視線の先には、キョロキョロと辺りを見回す弟者の姿。


(;´_ゝ`)dkdk

l从;・∀・ノ!リdkdk


生垣から顔だけを覗かせ、弟者の動きを観察する。

やはり、雪が積もった日にすることなんか決まっている。


(<_`; )「くそっスネークごっこを始めて1時間か……
       流石だな、兄者」


弟者が反対側を向くと同時。

雪玉を握る兄者の右手に、力が漲った。

その長い腕がしなり――




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:48:35.34 ID:VHI5Etne0
しえん

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:49:11.28 ID:gVZDtgSAO
支援

10 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:49:11.75 ID:nOMu5+EqO



l从>∀<ノ!リ「いまなのじゃ!!」


( ´_ゝ`)「ていっ!!」



(´<_` )「ん?」



ひゅーん



べしゃっ

( <_  )「わぷっ」





11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:50:03.23 ID:KPmdzgq7O
支援するしかないだろう……JK……

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:50:12.27 ID:gVZDtgSAO
わぷっ

13 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:50:58.47 ID:nOMu5+EqO


l从・∀・ノ!リ「おみごとなのじゃー!!」

( ´_ゝ`)「ふははは!! 弟者め、油断していたな!!
       敵地で気を緩めるなんて、貴様はスネーク失格だ!!」

l从>∀<ノ!リ「しっかくなのじゃー!!」


弟者の頭に当たって弾ける、白い雪玉。
きゃっきゃと騒ぐ、兄者と妹者。



(´<_`#)「……OKお前達、調子に乗るなよ」



( *´_ゝ`)「わーい、逃っげろー」

l从*・∀・ノ!リ「なのじゃー」




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:51:33.84 ID:21conul0O
なんという可愛いげのないみちる

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:51:36.43 ID:gVZDtgSAO
支援

16 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:52:28.99 ID:nOMu5+EqO




〜l从・∀・ノ!リ 妹者が夢を届けるようす〜






17 :タイトル間違えた……:2007/12/02(日) 20:54:02.86 ID:nOMu5+EqO


ころころ、ころころ

l从・∀・ノ!リ「うーん、まだまだいけるのじゃ」

ころころ、ころころ


しゃがんで転がし、雪玉を育てる妹者。
自分の頭くらいの大きさの雪玉を、ころころころころ。


ゴロゴロ、ゴロゴロ

(´<_` )「おーい、妹者まだかー」

( *´_ゝ`)「うふふ……幼女が玉転がし……うふふ……」

ゴロゴロ、ゴロゴロ


l从・勍ノ!リ「もーちょっとなのじゃー」


妹者から少し離れた場所で、二人で雪玉を転がす兄者と弟者。
彼等の腰くらいの高さの雪玉を、ゴロゴロゴロゴロ。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:54:06.41 ID:gVZDtgSAO
支援

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:54:37.88 ID:cUGFiGzCO
鳥だけで誰だか分からんかったが部屋か
支援

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:55:31.47 ID:VHI5Etne0
支援

21 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:55:59.84 ID:nOMu5+EqO


l从*・∀・ノ!リ「うむ、これくらいなのじゃ!!」


一回り大きくなった雪玉に満足するように、大きく頷く。
両手でそれを抱えると、腕の中にはずっしりとした重さ。

そのままよたよたと、おぼつかない足取りで兄弟のもとへ。


(´<_` )「おお、妹者大丈夫か?」

l从・∀・ノ!リ「だいじょーぶなのじゃー」


持って来た雪玉を地面に置き、改めてそれを見る。
目の前にあるのは、兄者と弟者の巨大な雪玉。



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:56:41.20 ID:gVZDtgSAO
かわいいよ支援

23 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:57:46.83 ID:nOMu5+EqO


l从・∀・ノ!リ「おおー!! でっかいのじゃ―!!
      おっきい兄者もちっちゃい兄者もさすがなのじゃー!!」


兄者と弟者の胸にも届きそうな雪玉。
まんまるなそれは、自分よりもずっとずっと大きくて。


( ´_ゝ`)「はっはっは。当たり前だよな、弟者?」

(´<_` )「その通りだな、兄者。やっぱり……」


     ビシィッ
( ´_ゝ`)b「「流石だよな、俺ら」」d(´<_` )
                  ビシィッ



l从*>∀<ノ!リ「か、かっこいいのじゃー!!!!」




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:58:56.79 ID:cUGFiGzCO
支援

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 20:59:40.43 ID:gVZDtgSAO


26 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 20:59:42.31 ID:nOMu5+EqO


( *´_ゝ`)「そうだろうそうだろう」

(´<_` )「よーし妹者、仕上げだぞー」


そう言って弟者が取り出したのは、みかん2つとにんじん1本。
受け取った妹者は、自分の雪玉にそれをめり込ませる。

まんまるだった雪玉に、黄色い目と赤いお鼻がくっついた。


l从・∀・ノ!リ「できたのじゃ」

(´<_` )「うんうん、綺麗な顔してるじゃないの」


表情を手に入れた妹者の雪玉を、弟者が大きい雪玉の上に乗せる。
最後に下段の雪玉の両脇に枝を刺して、完成。



27 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:02:40.86 ID:nOMu5+EqO


l从*・∀・ノ!リ「ゆきだるまさんなのじゃー!!」

( *´_ゝ`)「スゴイぞー!! カッコいいぞー!!」

(´<_` )「立派だな」


出来上がったのは、大きな大きな雪だるま。
威厳たっぷりにドッシリと構えて、今にも動き出しそうだ。


( ´_ゝ`)「ふふふ……なあ弟者、妹者。
       こんな立派な雪だるまを作れるとは、やはり……」

l从・∀・ノ!リ「なのじゃー」

(´<_` )「そうだな、兄者。やっぱり……」



( ´_ゝ`)b「「「流石だよな、俺ら」」なのじゃー!!」d(´<_` )
               d l从>∀<ノ!リ b




28 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:04:55.98 ID:nOMu5+EqO

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


l从>凵λ!リ「くしゅんっ」


ぱちぱち。

暖炉にくべられた薪が弾け、室内に柔らかな光が溢れる。
真っ暗な窓の外を、深々と降り続ける雪が染め直していく。


( ´_ゝ`)「ちょっと昼は遊び過ぎたな」

l从>凵λ!リ「たのしかったのじゃあっくしゅんっ」

(´<_` )「はいティッシュ」

l从>凵λ!リ ちーん




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:05:59.22 ID:VHI5Etne0
しえん

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:06:10.99 ID:9o0CqC+nO
支援

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:06:24.95 ID:gVZDtgSAO
風邪支援

32 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:07:01.73 ID:nOMu5+EqO

朝から日が暮れるまで遊んだ3人。
長く遊び過ぎて、妹者は身体が冷えてしまったようだ。


(´<_` )「風邪引かないように、今日はお風呂に入って早く寝なさい。
       夜更かしする悪い子にはサンタさん来ないんだぞー?」

l从;・勍ノ!リ「は、はいるのじゃ!! 妹者はいいこなのじゃ!!」


そう、今日はクリスマスイブ。
世界中の子供達がサンタさんを待ち望む日だ。


( *´_ゝ`)「よーし妹者、いっしょに暖まろうねぇ」

l从・∀・ノ!リ「なのじゃー」

(´<_`;)「……いっしょに入るの?」

( ´_ゝ`)「え? なんで聞くの?」

l从・∀・ノ!リ「なのじゃ?」

(´<_`;)「あ……いやごめん」




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:08:54.82 ID:cUGFiGzCO
支援

34 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:09:03.21 ID:nOMu5+EqO

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


(´<_` )「よーし今日はこの本を読んであげよう」


本を片手に、ベッドで横になっている妹者の近くに腰掛ける。

子守歌代わりの朗読。
弟者が今日選んだのは、古い絵本。

表紙では、赤と白の服を着たピザ男と、
真っ赤な鼻のトナカイが、星空を背に肩を組んでいる。


l从*・∀・ノ!リ「サンタさんなのじゃー!!」

( *´_ゝ`)「おお、懐かしいなそれ!!
       『あわてんぼうサンタとレッドバロンシリーズ・粉雪旅立ち編』
       じゃないか!!」

(´<_` )「ああ、押し入れの奥から出て来たんだ。
        せっかくだから妹者にも読んでやろうと思ってな」




35 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:10:42.20 ID:nOMu5+EqO


(´<_` )「むかーしむかーし……」


l从*・∀・ノ!リdkdk

( *´_ゝ`)dkdk


   """"""""""""""""""""""""""

 むかーし むかーし あるところに
 サンタさんと トナカイが いました


( ^ω^)『どうも!! 僕がサンタだお!!』

('Å`)『高貴なる朱鼻【レッドバロン】とは俺のことさ』


   """"""""""""""""""""""""""



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:12:09.84 ID:gVZDtgSAO
wktk

37 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:12:55.83 ID:nOMu5+EqO


l从*・∀・ノ!リ「このひとがサンタさんなのじゃ?」

( *´_ゝ`)「ああそうだよ。かっこいいだろ?」


   """"""""""""""""""""""""""

 まいとし クリスマスのひ
 ふたりは こどもたちに プレゼントを くばります


('Å`)『世界中を一晩で駆け巡る俺様……かっこいい……』

( ^ω^)『wwメリーwwwwwクリスマースwwwwww』


   """"""""""""""""""""""""""



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:13:54.21 ID:D25gEBXpO
支援ー

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:14:35.26 ID:gVZDtgSAO
支援

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:14:49.08 ID:cUGFiGzCO
支援

41 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:14:52.72 ID:nOMu5+EqO

   """"""""""""""""""""""""""

 ふたりは こどもたちの えがおを みるだけで まんぞくでした


( ・□・)『プレゼントだ!! やったぁ』

从'ー'从『わぁい、サンタさんありがとぉ』

('Å`)『礼には及ばねーぜ』

( ^ω^)『メリークリスマスだおwww』


   """"""""""""""""""""""""""

l从・∀・ノ!リ「サンタさんえらいのじゃー」

( *´_ゝ`)「小さい頃は俺もこんな大人になりたいって思ってたなぁ……」

(´<_` )「それが今や自宅警備員だもんなぁ……」

(;´_ゝ`)……




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:16:23.06 ID:D25gEBXpO
もいっちょ支援

43 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:16:37.01 ID:nOMu5+EqO

   """"""""""""""""""""""""""

 だけど こどもたちは おおきくなるにつれ
 えがおを みせて くれなくなって しまいます


( ^ω^)『メリーwwwwクリwwwスマー……ス……?』

( <●><●>)『サンタが想像上の人物であることくらい分かってます』

( ´ω`)『……メリークリスマスだお……』


 あるこどもは ゆめをみることを やめて しまいます

   """"""""""""""""""""""""""



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:17:25.02 ID:gVZDtgSAO
支援

45 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:19:05.18 ID:nOMu5+EqO

   """"""""""""""""""""""""""

( ^ω^)『メリクリだお!! ほーら、プレゼントを持ってき……』


( ><)『ちんぽっぽちゃん、君が欲しいプレゼントは何ですか?』

(*//ω// *)『ち、ちんぽ……おちんぽっぽ……』

( *><)『げっへっへ……ホワイトクリスマスにしてやるんです……』


(;^ω^)『プレゼント……』


 またあるこどもにとって クリスマスは
 サンタさんのひでは なくなって しまいます

   """"""""""""""""""""""""""



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:19:28.70 ID:mebpG5xH0
支援してみようか

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:19:53.68 ID:vzZ2vzSb0
支援

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:20:10.54 ID:cUGFiGzCO
支援

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:20:26.59 ID:9o0CqC+nO
支援

50 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:21:07.37 ID:nOMu5+EqO


(´<_`;)「……こんなストーリーだったっけ」

( ´_ゝ`)「聖夜に街でイチャつくカップルはブチ殺すべきだよな……」


   """"""""""""""""""""""""""

 サンタさんは すっかり じしんを なくして しまいました 


( ´ω`)『……皆の心の中に……僕はもういないのかお』

(;'Å`)『お、おい何弱気になってんだよサンタ!! おい!?』

( ´ω`)『もう、サンタなんか辞めたいお……』


   """"""""""""""""""""""""""



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:21:41.40 ID:D25gEBXpO
ちんぽっぽ&わかんないですテラ淫乱wwwwwwwwwwww

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:22:21.36 ID:9o0CqC+nO
支援!

53 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:23:11.47 ID:nOMu5+EqO


( *´_ゝ`)「まさかこれが幼女が全力を尽くす編の伏線だとは思わな……ん?」


l从━、━ノ!リ「うーん……サンタさんかわいそうなのじゃー……」


(´<_` )「あらら、もう寝ちゃったのか」


朝から遊び通した疲れもあったのか、すぐに妹者は寝てしまった。
今日読めたのは、最初の数ページだけ。


(´<_` )「続きは明日だな」

( ´_ゝ`)「えー今からが面白いのに……」

(´<_`;)「兄者は自分で読めば良いだろう常考」




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:23:27.97 ID:VHI5Etne0
支援ー

55 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:24:53.11 ID:nOMu5+EqO

読みかけの絵本にしおりを挟み、妹者の枕元に置く。
ゴネる兄者を宥めながら窓の外を見ると、
みんなで作った雪だるまが、寒空の下にポツリと立っていた。

彼の周囲にふわふわと舞う雪がやむ気配は無い。

一人取り残された彼の、みかんで出来た目が寂しそうに見えて、
もう一人くらい作ってあげれば良かったかな、と思う。


(´<_` )「明日も積もりそうだな……」

( *´_ゝ`)「明日もいっぱい遊ぶぞー」

(´<_` )「良いよなぁ毎日がエブリデイで」

(;´_ゝ`)……




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:26:40.29 ID:gVZDtgSAO
支援

57 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:27:30.77 ID:nOMu5+EqO


( ´_ゝ`)「それよりだ、弟者。妹者はちゃんと寝てるか?」

d(´<_` )「ああ、ばっちりだ。完全に寝てるぞ兄者」

l从-、-ノ!リ「うーん……」

( ´_ゝ`)「よしよし……と」


弟者が妹者の寝息を確認すると、兄者が背伸びしてタンスの上に両手を伸ばす。

引っ張り出したのは、白い包装紙に赤のリボンが結ばれた箱。
それを本と同じく、妹者の枕元に置く。


(´<_`;)「……それ頭ぶつけるんじゃないか、兄者?」

( ´_ゝ`)「いいや、プレゼントは枕元以外認めない」

(´<_`;)「そうか、ならいい。なにはともあれ……」


( *´_ゝ`)「「メリークリスマス、妹者」」(´<_` )





58 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:29:05.44 ID:nOMu5+EqO





   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


こんこん


l从-、-ノ!リ「……うーん……」


こんこん


l从う匆ノ!リ「……うーん?」


みんなが寝静まり、しばらく立ってから。
窓を叩く乾いた音に、妹者は目を覚ました。

目を凝らしても、何も見えない。
窓の外も部屋の中も真っ暗だ。



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:30:59.34 ID:cUGFiGzCO
支援

60 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:31:15.40 ID:nOMu5+EqO


l从・勍ノ!リ「でっかい兄者ー? ちっちゃい兄者ー?」


しーん


l从・勍ノ!リ……


反応が無いことから、兄弟がまだ寝ていることを理解する。
そのままもう一度寝ようとしたけれど――


こんこん


l从う勍ノ!リ「……むう。なんなのじゃ?」


気になって眠れなくなった妹者は、音の原因を見に行くことにした。
見えない足元に気をつけながら、そろりそろりと窓へと足を運ぶ。



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:32:25.99 ID:9o0CqC+nO
支援

62 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:33:34.94 ID:nOMu5+EqO

ところどころつまづきながらも、慎重に進んで行く。
目的地に着く頃には目も慣れて、辺りがよく見えるようになった。


こんこん


「へーい、キュートな妹者ちゃーん」

l从・∀・ノ!リ !!!!


だから、窓の向こうもちゃんと見える。

窓を叩く、枝の手が。
こちらを覗く、生き生きとしたみかんの目が。


( ・≧・ )「開けちくりー」

l从*・∀・ノ!リ「ゆ、ゆきだるまさんがうごいてるのじゃー!! すごいのじゃー!!」




63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:34:44.80 ID:9o0CqC+nO
支援

64 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:35:48.21 ID:nOMu5+EqO

動く雪だるまを見て、妹者はすぐに窓を開けた。
室内の暖かい空気が外へ逃げ、代わりに外の冷たい空気が入ってくる。


l从;・Д・ノ!リ「うう……さむいのじゃ……」

( ・≧・ )「HAHAHA!!
       そりゃあパジャマじゃあ寒いのも当たり前だぜシスター。
       いろいろ着込んでから外に出て来ておくれ?」

l从・∀・ノ!リ「りょーかいなのじゃ!!」


急いで準備をして玄関から外に出る。
だって、雪だるまが動いているのだ。
早くしないと逃げてしまうかも知れない。


l从*・∀・ノ!リ「ほんとーにうごいてるのじゃー!!!!」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:36:04.38 ID:VHI5Etne0
支援

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:36:57.31 ID:wqdQ1nQKO


67 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:37:21.02 ID:nOMu5+EqO

目の前で、自分より頭ひとつ大きな雪だるまが動いている。
間違いない。
今日、みんなで作った雪だるまだ。


( ・≧・ )「HAHAHA!!
       君達が一生懸命に作ってくれたおかげで、
       急に動けるようになっちまったぜ!!」

l从*・∀・ノ!リ「おお!! やっぱり流石なのじゃ、あたしたち!!」

( ・≧・ )「それでだ、シスター?
       君達は僕に素晴らしい生命と、立派な身体をくれた!!
       僕はそのお礼がしたいんだ!!」

l从*・∀・ノ!リ「おおー!! ありがとうなのじゃー!!」


雪だるまの感情の籠った声に、妹者も自然とテンションが高くなる。
肌を刺す寒さも、もう感じない。



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:38:04.84 ID:gVZDtgSAO
wktk

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:38:10.16 ID:ntvmD6Uu0
支援ヌ

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:38:31.31 ID:9o0CqC+nO
雪だるま無駄にテンション高いwww

71 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:39:09.18 ID:nOMu5+EqO


l从*・∀・ノ!リ「おれいってなんなのじゃ?」

( ・≧・ )「HAHAHA!!
       そう焦っちゃダメだぜ、妹者ちゃん。
       プレゼントは俺の故郷、冬の国に用意してるんだ!!
       そうれ、開け冬の国への扉!!」


雪だるまが叫びながら枝の手を振ると、
ふわふわと舞い落ちるだけだった雪が、意思を持ったように集まっていく。
妹者のまばたきの内に、大きな純白の扉が完成した。

半開きになった扉から溢れる光が、暗い辺りを照らす。


l从・∀・ノ!リ「おぉー!!」


( ・≧・ )「本当は部外者は入れちゃダメなんだけど、
       妹者ちゃんだけはト・ク・ベ・ツ!! にご招待!!
       この扉をくぐれば到着さ!! さあ、レッツゴーだ!!」

l从>∀<ノ!リ「レッツゴーなのじゃー!!」




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:40:36.95 ID:wqdQ1nQKO


73 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:40:48.36 ID:nOMu5+EqO

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


(  )『なあどうしたんだよ!?
    お前の夢は、みんなに夢を配ることじゃなかったのかよ!!』

(    )『もう良いんだお。僕は……もう疲れたんだお……』


   """"""""""""""""""""""""""


l从*・∀・ノ!リ『すごいのじゃー!! キラキラなのじゃー!!』

( ・≧・ )『HAHAHA!!
       妹者ちゃんが冬の国を気に入ってくれたようで何よりだぜ!!』


扉をくぐったかと思うと、既に冬の国に到着していた。
空から零れる粉雪が太陽の光を反射させ、空までもが輝いて見える。



74 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:42:11.23 ID:nOMu5+EqO

二人が立っているのは、なだらかな丘の上。
眼下には雪だるまやトナカイや小人など、様々な人々で賑わう街が広がる。
レンガ作りの家が建ち並び、その煙突が吐き出す白い煙は空に消えていく。


( ・≧・ )『今日はクリスマス!! そんな特別な日に、特別な妹者ちゃん!!
       君は冬の国の国王、サンタ・クロースに会えちゃいまーす!!』

l从*・∀・ノ!リ『サンタさんなのじゃ!? すごいなのじゃー!!!!』

mg( ・≧・ )『HAHAHA!!
         みんなの憧れ、夢と希望を司る冬の化身!! サンタ・クロース!!
         彼の家はあそこだぁ!!』


びしりと枝が指差す街の中央には、一際立派な、工場のように大きな建物。
そのすぐ横の綺麗に装飾されたモミの木の下には、
何人でも乗れそうなくらいに大きなソリが置いてある。



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:42:48.67 ID:mebpG5xH0
しえん

76 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:43:55.42 ID:nOMu5+EqO


( ・≧・ )『さあ妹者ちゃん、あそこまでどっちが早く付けるか競争だ!!
       ヒァウィーゴォー――!!!!!』

l从;・勍ノ!リ『あー!! ズルいのじゃー!!』


   """"""""""""""""""""""""""

(    )『子供達は笑ってくれないお……
       煙突だってみんなもう付けてないお……』

(  )『それがどうしたってんだよ!? 俺達を待ってる子供だっているんだ!!
    ほら、気合入れやがれ!!!!』

(    )『……もう、辞めようお。僕達なんて……
       僕達なんて、もう誰も必要としてないんだお』




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:44:42.14 ID:9o0CqC+nO
支援

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:45:31.22 ID:wqdQ1nQKO


79 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:45:45.36 ID:nOMu5+EqO


(  )『おい……てめぇもう一回言って見やがれ!?
    あんまりふざけたこと言ってると俺の蹄が火を吹くぜ!?』

(    )『……ああ言ってやるお!! 僕はもう!!』


   """"""""""""""""""""""""""

l从・∀・ノ!リ『とーちゃーく!! 妹者のかちなのじゃー!!』


(;・≧・ )『いやあ、やっぱり雪だるまは走るもんじゃないね。
        頭と身体が離れるかと思ったぜ!!』


街の中央、サンタの家に二人は到着した。

丘の斜面を利用して加速した雪だるまだったが、
街に入ってからはピョンピョン跳ねることしか出来ずに失速してしまった。



80 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:47:22.05 ID:nOMu5+EqO


( ・≧・ )『よーし、サンタさんが中で待ってるはずだ。
       さあ扉を開けるんだシスター!!』

l从>∀<ノ!リ『サンタさんおじゃましますのじゃー!!』


ガチャ


(♯^ω^)『僕はもう!!
       サンタなんか!!
       辞めてやるお!!!!』



l从・∀・ノ!リ ?

('Å`)『本当に腐っちまったんだな、サンタ……』




81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:49:08.18 ID:nOMu5+EqO

妹者が扉を開けると、赤と白の洋服に身を包んだ男が叫んでいた。
あの男がサンタであろうことくらい分かる。

しかし、サンタは何故かサンタを辞めると叫んだ。
妹者は状況を把握出来ずに、固まることしか出来ない。


l从;・∀・ノ!リ ?


(;^ω^)『あ……子供を連れて来たのかお……』

(;・≧・ )『ちょ、サンタさん、何言ってるんですか!?』

('Å`)『そいつはもうサンタじゃねぇよ、雪だるま。
    ……よし決めた。おいそこの幼女。
    お前が今日からサンタだ』




82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:49:11.68 ID:9o0CqC+nO
支援

83 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:51:34.65 ID:nOMu5+EqO


(;^ω^)『何言ってるんだお、レッドバロン!?』

(#'Å`)『うっせぇ、てめぇは黙ってろ!!
     世界中でサンタを待ってる奴がいるんだ!!
     俺はサンタとプレゼントを世界中に運ぶ義務がある!!
     さあ行くぞ、サンタ!!』


l从;・∀・ノ!リ『!? !? !?』


未だに状況を飲み込めない妹者を、外に連れ出す赤鼻のトナカイ。
後に残された、太めの男と雪だるま。


( ´ω`)『レッドバロン……』

(;・≧・ )『い、妹者ちゃん!? ちょっとレッドバロンさーん!?』




84 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:54:34.94 ID:nOMu5+EqO

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


('Å`)『どうだぁーサンタ? 空飛ぶなんて初めてだろ!!』

l从・∀・ノ!リ『はじめてなのじゃー!!』


あのまま妹者を連れて外に出たトナカイは、モミの木の下に置いてあったソリに、
これでもかと言うほど荷物を積み上げた。

ソリを引く準備を完了させると、オロオロとしたままの妹者に手綱を握らせ、
有無を言わさぬ間に飛び立ってしまった。


l从・∀・ノ!リ『たかいのじゃー!! さすがなのじゃー』

('Å`)『はっはっはぁ!!
    高貴なる朱鼻【レッドバロン】の名は伊達じゃないぜ!!』




85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:55:54.33 ID:mebpG5xH0
しえーん

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:56:14.13 ID:gVZDtgSAO
支援支援

87 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:56:27.76 ID:nOMu5+EqO


l从・∀・ノ!リ『つぎはどこなのじゃー!?』


最初はオロオロするだけだった妹者も、今はすっかり楽しんでいる。


('Å`)『よーし、あの家だサンタ。さあ行くぞ!!』


空飛ぶソリから見える世界。
真っ白な地面にぽつぽつと明かりが灯り、真っ暗な空から白が落ちてくる。
進む道は、ぴかぴかの赤い鼻が照らしてくれる。


l从>∀<ノ!リ『メリークリスマスなのじゃー!!!!』





88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:57:47.87 ID:9o0CqC+nO
支援!

89 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:58:02.91 ID:nOMu5+EqO





   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


l从・∀・ノ!リ『なかなかすくなくなったのじゃー』


順調にプレゼントを配っていき、積み上げられた荷物が一回り小さくなった頃。
トナカイの足が急に止まった。


l从・∀・ノ!リ『? どうしたのじゃ?』

('Å`)『なあ、サンタ……お願いがあるんだ』


   """"""""""""""""""""""""""


( ・≧・ )『サンタさん、元気出そうぜ?』


一方、ソリが飛び立った冬の国。
未だにサンタは落ち込んだままだ。



90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 21:58:29.65 ID:VHI5Etne0
支援

91 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 21:59:33.35 ID:nOMu5+EqO


( ´ω`)『本当に僕はダメダメだお。子供達からは見捨てられ……
       親友までも失ってしまったお』


あの赤い鼻のせいで、いつもみんなの笑い者だったトナカイ。

彼とはずっと一緒だった。

彼に高貴なる朱鼻の名前をプレゼントした。
彼の鼻が照らしてくれる空を走った。
彼といっしょにプレゼントを、夢を配った。


( ´ω`)『レッドバロン……』


しゃんしゃんしゃん


( ^ω^)『? この音は……』




92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:01:14.69 ID:9o0CqC+nO
支援

93 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:01:21.11 ID:nOMu5+EqO

深い溜め息を吐いたサンタの耳に、聞き慣れた鈴の音が届く。
毎年手綱を握っている、あの赤鼻のトナカイが引くソリの音。

ソリの音に誘われ外に出ると、赤鼻のトナカイと幼女がソリから降りて待っていた。


( ^ω^)『……どうしたんだお?』

l从*・∀・ノ!リ『ふっふっふっふっふ。
サンタさんのゆめをかなえにきたのじゃ!!』


目の前の幼女は、胸を張ってそう答えた。
「どういう意味?」と聞く前に、幼女なサンタが宣言する。


l从・∀・ノ!リ『サンタさんのゆめは【みんなに夢を届けること】なのじゃ!!
      それをかなえるには、サンタさんはサンタさんをやめちゃダメなのじゃ!!』




94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:02:56.58 ID:gVZDtgSAO
支援!!!

95 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:03:08.81 ID:nOMu5+EqO

そしてもうひとつ、と。
妹者はさらに言葉を繋げた。


l从・∀・ノ!リ『レッドバロンのゆめをかなえてあげてほしいのじゃ』


高らかにそう重ねた妹者の後ろから、真っ赤な鼻のトナカイが歩いてくる。
サンタの目の前まで近付くと、トナカイは大きな声で叫んだ。


('Å`)『俺の夢は【お前と一緒に子供達へ夢を届けること】だ!!
    サンタよ、俺の夢を叶えてくれ!!』


( ^ω^)『レッドバロン……』




96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:05:36.73 ID:gVZDtgSAO
支援

97 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:06:02.69 ID:nOMu5+EqO


('Å`)『今年もよ、ソリからお前の声を聞かせてくれよ』

( ^ω^)『……おっおっおwww
       妹者ちゃんにレッドバロン、素敵なプレゼントありがとうだお』


l从・∀・ノ!リ『いっしょにプレゼントくばるのじゃー!!』

( ^ω^)『りょーかいだお!! 子供達が待ってるお!!』

('Å`)『ようしお前ら、出発するぞ!! 早くソリに乗りやがれ!!』


ソリは小さなサンタと大きなサンタを乗せ、再び飛び立つ。
鈴の音を響かせ、子供達に夢を配るソリは世界中を回って行った。


( ^ω^)『メリーwwwクリスマースwww』

l从・∀・ノ!リ『メリークリスマスなのじゃー』




98 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:07:32.88 ID:nOMu5+EqO


( ^ω^)『妹者ちゃん、本当にありがとうだお』

l从*・∀・ノ!リ『いやいやそれほどでもなのじゃ……』


( ^ω^)『君のおかげで、僕達はまた頑張れるお!!』


('Å`)『来年もまた――

( ^ω^)『僕達といっしょに――


l从・勍ノ!リ『? どうしたのじ――――




   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:08:47.64 ID:9o0CqC+nO
支援

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:09:12.32 ID:VHI5Etne0
シェーン

101 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:09:37.52 ID:nOMu5+EqO

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「妹者、妹者」

l从う匆ノ!リ「んー……」

( ´_ゝ`)「妹者朝だよー」

l从;・勍ノ!リ「……!! 兄者!! サンタさんが!!」

( ´_ゝ`)「うんうん、妹者が良い子だったからね。
       サンタさん来てくれたよ」


l从;・勍ノ!リ「違うのじゃ、サンタさんとレッドバロンといっしょだったのじゃ!!」

( *´_ゝ`)「おっ、妹者も
      『あわてんぼうサンタとレッドバロンシリーズ』
       に興味が沸いたのか!?」




102 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:11:02.93 ID:nOMu5+EqO


ああ、話が通じてない。

幼いながらも、兄者との長い付き合いからそれを理解した妹者は、
兄者に昨晩の出来事を伝えることを諦めた。

同時に頭が少し冷静になり、現実を見れるようになる。


l从・勍ノ!リ(ゆめ……だったのじゃ……)


なーんだ。

雪だるまとかけっこをしたことも。
赤い鼻のトナカイといっしょに空を飛んだことも。
サンタといっしょに、世界中に夢を届けたことも。

ぜんぶ、夢だったのか。



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:13:18.14 ID:gVZDtgSAO
支援

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:13:22.57 ID:9o0CqC+nO
支援

105 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:13:28.42 ID:nOMu5+EqO


(´<_` )「もうすぐご飯出来るぞー」

( ´_ゝ`)「はいはーい。妹者も早く来るんだぞ?」


キッチンでフライパンを振るう弟者の声に、兄者が答える。
部屋に残ったのは、ベッドに潜ったままの妹者だけ。


l从・勍ノ!リ(そういえば……サンタさんのプレゼントはなんなのじゃ?)


サンタさん。
共に世界を巡った夢の中のサンタさんとは、きっと何の関係も無い人。

ちょっと悲しくなりながらも、枕元にある箱の包装紙を解いてみる。



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:13:34.71 ID:mebpG5xH0
しえーん

107 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:14:57.51 ID:nOMu5+EqO



l从・勍ノ!リ「これ……」


出て来たのは、赤と白の2色で彩られた小さな洋服。
女の子用の、サンタさんの衣装だ。

そして箱のすぐ横では、
『あわてんぼうサンタとレッドバロン』の絵本が数枚捲れ、
最後の方のページが開かれている。


   """"""""""""""""""""""""""

('Å`)『今年はありがとう!!』

( ^ω^)『来年もまた、よろしくだお!!』


   """"""""""""""""""""""""""


l从・∀・ノ!リ !!




108 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:18:43.25 ID:nOMu5+EqO


l从*・∀・ノ!リ「いただきますのじゃー!!」

(´<_` )「? どうしたんだ妹者、えらく上機嫌だな」

( ´_ゝ`)「妹者はサンタさんが来てくれて嬉しいんだよねー」


l从・∀・ノ!リ「ちがうのじゃ。それもあるけど、だけどちがうのじゃ」

(;´_ゝ`)?(´<_`;)


窓の外にいる雪だるまは、昨日よりずいぶんと楽しそうな表情。
妹者を見るみかんの目が、ほんの少しだけ笑ったように見えた。



l从・∀・ノ!リ「妹者は、サンタさんになったのじゃ!!」





〜l从・∀・ノ!リ 妹者が夢を届けるようです〜終



109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:19:18.60 ID:WpKzzKGo0
乙!

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:20:06.67 ID:ntvmD6Uu0


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:20:31.36 ID:gVZDtgSAO
乙!
こういうの大好き

112 : ◆b9GMyAdwDA :2007/12/02(日) 22:20:34.21 ID:nOMu5+EqO

以上で終了です。ありがとうございました。

次は『ノハ#゚听)ヒートが全力を尽くすようです!!』のヒー全さんだよ!!
やったあ!!

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:20:35.28 ID:9o0CqC+nO
乙!

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:21:30.04 ID:V+T4hippO
>>111
参加者の方、支援乙でした!!

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:21:58.28 ID:mebpG5xH0
これはなかなかよかった 乙

116 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:21:58.47 ID:9o0CqC+nO
では、投下開始します

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:22:16.44 ID:uwk4e+cS0


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:23:00.56 ID:WpKzzKGo0
wkwk

119 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:23:22.73 ID:9o0CqC+nO
「サトリ(覚)」
他人の心を読むという妖怪。


「先祖返り」
何世代も前の先祖の形質を隔世的に受け継ぐこと。



遠い昔、サトリの力を元に財を成した者がいた。
彼の子にはその力こそ受け継がれなかったが、
代わりに手先が器用だったため、刀鍛治として一世を風靡することとなる。


それから数百年。
サトリの存在が忘れ去られたころに、彼の遠い子孫として一人の男が生を受けた。
数奇な運命を、その双肩に背負いながら……。





(´・ω・`)サトリのショボンのようです

120 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:24:33.27 ID:9o0CqC+nO
時は明歴元年、一月十六日。
朝の江戸城下町に一際元気のいい声が鳴り響く。

ノパ听)「それじゃ、薬草摘みに行ってくるからぁぁぁぁぁ!!!!」

そう叫びつつ、引き戸を開けて長屋から外に飛び出した一人の少女。
赤紫の着物と頭に挿した玉の簪、背中に背負った籠などが特徴的である。
彼女の名は素直ヒート、シャキンという町医者の一人娘だ。

(`・ω・´)「おうっ、気ぃつけんだぞ!」

シャキンは薬を煎じる作業を一旦止め、娘に向けて手を振った。
父子家庭なためか、この家ではこういった挨拶を欠かさない。

ノパ听)「酉の刻までには帰ってくる!!!」

片手を上げつつ、ヒートは人波の中へと消えていった。

(`・ω・´)「ったく、戸ぐらいちゃんと閉めていけよな」

不満げに毒づきながらも、のろのろと立ち上がって引き戸を閉めるシャキン。

(`・ω・´)「……しっかしまあ、元気な子に育ってくれたもんだ」

そう言う彼の表情は、どことなく嬉しそうだった。

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:24:50.84 ID:gVZDtgSAO
wktk

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:25:04.07 ID:WpKzzKGo0
支援

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:25:05.44 ID:uwk4e+cS0
支援

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:26:02.71 ID:nOMu5+EqO
支援

125 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:26:03.74 ID:9o0CqC+nO
この町の朝は早い。
まだ時刻は朝八時頃だというのに、町並みはかなりの賑わいを見せていた。

「なんてったってうちの蕎麦はコシが違う!
 熱いダシ汁に七味をかけてズズズっ、いや、たまんねえな!」

「鰻はどうだい!? 思わず涎でもう一つ江戸湾をこさえちまうぐれぇの旨さだ!」

立ち並ぶ種々様々な屋台からは、すべからく威勢のいい声が鳴り響いていた。

ノパ听)「お江戸ーお江戸ー、おっひざもとー!!!!」

ヒートは客引きの声には耳を貸さず、器用に人ごみを掻き分けて走り続けていた。
どうやら郊外へと向かっているようである。

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:27:05.87 ID:VHI5Etne0
乙そして支援

127 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:27:18.33 ID:9o0CqC+nO
人気のない草原。
ヒートは一時間ほど走ってたどり着いたそこで、ようやくその足を止めた。

ノハ;゚听)「疲れたあぁぁぁぁぁっ!!!」

背負った籠を取り外し、勢いよく草の絨毯に倒れ込む。
かと思うと、彼女はそのままの姿勢でゴロゴロと転がり始めた。

ノハ*゚听)「うー、蕎麦殻の布団より俄然気持ちいい!!
  どうしてこんなにいい物を敷布団に詰めないんだろう!!?」

*(‘‘)*「それはきっと、すぐに萎れちゃうからです」

ノパ听)「むー、確かにカサカサになっちゃ意味が……って、あれ!?」

言葉を止め、声がした方に目をやる。

*(‘‘)*「いい天気ですね」

ヒートから数歩離れた場所には、髪を二つに結わえた少女がいた。

ノハ//)「私が寝転ぶのを見ていたのかっ!!!?」

元気印といえど、ヒートはれっきとした女の子。
はしたない姿を見られたことによる恥ずかしさからか、彼女の顔は赤く染まったのだった。

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:27:45.60 ID:gVZDtgSAO
支援

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:27:55.36 ID:nOMu5+EqO
しえん

130 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:28:36.53 ID:9o0CqC+nO
*(‘‘)*「恥ずかしがることないですよ。
  実は私も好きなんですよね、こういうの!」

そう言うや否や、二つ結びの少女はヒートの横に寝転んだ。
少女達は草を枕に、ただただぼーっと青天井を見上げる。

*(‘‘)*「私、ヘリカル沢近といいます」

ヘリカルは視線を上にしたままそう名乗った。

ノパ听)「私は素直ヒート、ヒートって呼び捨てにしてくれて構わないぞ!!!」

*(‘‘)*「はい、それなら私のことも呼び捨てにしてくださいな」

少しの沈黙。
お互い相手のことをよく知らないため、どこか遠慮している部分があるのだろう。

ノパ听)「苗字があるってことは、武士か医者の家の子か!!?」

彼女が時間をかけて捻り出した質問は、至極単純な物であった。

*(‘‘)*「いいえ、私は神社に住んでるんです」

ノパ听)「神社か……」

そう呟くと、身体を起こしてヘリカルの方に向き直った。

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:28:40.55 ID:uwk4e+cS0
支援

132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:29:04.18 ID:WpKzzKGo0
支援

133 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:29:49.66 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「神社ってことは、お守りとかも売ってるのか!!?」

*(‘‘)*「いえ、うちはちょっと特殊なので」

ノパ听)「そうなのか」

ヒートは残念そうにそう言うと、また草の上に寝転んだ。

*(‘‘)*「お守り、欲しかったんですか?」

ノパ听)「少しな!!」

*(‘‘)*「……安易に神様に頼るのはよくないですよ」

ノパ听)「私もそうは思うが、最近ととの体調が心配でな」

*(‘‘)*「とと?」

ノハ//)「あっ、その……父!!! 父のことだぁぁぁ!!!!」

慌てて言い直すヒート。
どうやら"とと"という幼い響きの言葉を使うことを恥じているようである。

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:30:18.82 ID:WpKzzKGo0
支援

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:30:28.00 ID:uwk4e+cS0
支援

136 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:31:00.21 ID:9o0CqC+nO
*( ^ ^)*「ぷっ……、あははははっ!」

ノハ;゚听)「そっ、そんなに可笑しいかっ!!?」

大笑いし始めたヘリカルを見、ヒートはムッとしたような表情をした。

*(‘‘)*「いえいえ、とても可愛いと思いまして」

ノハ;゚听)「なんか馬鹿にされているような……」

*(‘‘)*「さあ、どうでしょうね?」

ヘリカルは小首を傾げ、挑発するような笑みを浮かべた。
対するヒートは何かを思いついたのか、こちらも口元を緩ませた。

ノパー゚)「……仕返しだあぁぁぁぁっ!!!」

掛け声とともに、ヘリカルの脇に手をやる。
そしてそのまま指を動かし、こちょこちょと擽り始めた。

*(;‘‘)*「あっ、それは反則ですよっ!」

ノパー゚)「勝ちさえすれば将軍様ってな!!!」

*(‘‘)*「わっ、私も!!」

そう言ってがら空きになったヒートの脇に手を伸ばす。
こうして二人だけの擽り合戦が勃発したのだった。

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:31:17.17 ID:nOMu5+EqO
支援

138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:31:27.86 ID:uwk4e+cS0
支援

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:31:29.49 ID:WpKzzKGo0
しえん

140 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:32:21.99 ID:9o0CqC+nO
半刻後、二人は大の字になって草の上に倒れ込んでいた。
お互い笑い疲れたのか、肩で息をしている。

ノハ;゚听)「ほんと、笑い死ぬかと思ったぞぉぉぉ!!!!」

*(;‘‘)*「それは私もですよ!
  でも、でも……」

*(*‘‘)*「少しは楽しかったかな、なんて」

ノハ*゚听)「私もだあぁぁぁっ!!!」

そう言ってお互い顔を見合わせる。
そのままの状態で一瞬たった後、どちらともなく空気に堪え切れずに吹き出した。

ノパー゚)「本当、何やってんだかな!!!」

*(‘‘)*「まだまだ私も子供なところがありますねえ。
  久々にはしゃいで、なんだかすっきりしました」

この場に流れる空気は、まるで秋風の如く穏やかな物と化していた。

利害関係無き子供であるがためか、
はたまたそんなことは関係なくただ単に馬が合ったからか。
とにもかくにも彼女達は、もはや竹馬の友と見間違うほどに親しくなっていた。

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:32:37.57 ID:nOMu5+EqO
支援

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:32:50.48 ID:bA8OKZ9w0
sie

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:32:52.12 ID:uwk4e+cS0
支援

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:33:00.74 ID:WpKzzKGo0
支援

145 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:33:19.09 ID:9o0CqC+nO
*(‘‘)*「それにしてもいい天気ですよね」

ノパ听)「うんうん、お天道様には感謝感謝!!!」

*(‘‘)*「あはは、私も感謝感謝です!」

真昼の太陽は心地よい陽気を発し続けていた。
日光の香ばしいような匂いと草の青い香りが、爽やかな一時を演出する。

「ぐうううぅ!」

*(////)*「あっ」

と、ヘリカルの腹の虫が鳴った。

ノパ听)「もうお昼時だもんなぁぁ!!」

*(‘‘)*「ヒートは一旦家に帰るんですか?」

ノパ听)「いや、ここで握飯を食べて、それから甘草やアカネなんかを摘むんだぞ!!」

*(‘‘)*「ヒートは薬草摘みのためにここにいたんですね」

ノパ听)「ああ、朝はのんびりして、昼から頑張るのが私の日課なんだ!!!」

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:34:05.71 ID:uwk4e+cS0
支援

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:34:20.53 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「それじゃあ、そろそろ食べるかな!!」

そう話しつつ、籠から笹の葉で包まれた握飯と水の入った竹筒を取り出した。

ノパ听)「いっただきま……」

*(‘‘)*「……」

ノパ听)「……食べるか?」

*(;‘‘)*「えっ、いいんですか!?」

ノパ听)「元々2つあるからな、1つ分けるくらいなんてことないぞ!!」

*(*‘‘)*「あっ、ありがとうです!」

礼を言うや否や、差し出された塩おにぎりに噛り付く。
よほど空腹だったのか、彼女がそれを食べ終えるまでにはほとんど時間がかからなかった。

*(*‘‘)*「ああっ、やっぱりお米は最高です」

ノパ听)「本当にお腹が空いてたんだな!!」

*(‘‘)*「お恥ずかしながらうちの神社は廃れてしまい、
      満足に食べる余裕がないのです……」

そう話すヘリカルの顔は、どことなく寂しげだった。

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:34:42.75 ID:VHI5Etne0
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149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:35:05.84 ID:uwk4e+cS0
支援

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:35:28.32 ID:WpKzzKGo0
しえん

151 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:35:28.78 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「神社っていつも賑わってる印象があるんだが、色々と苦労もあるんだな」

*(‘‘)*「もしかしたらこれは、
      願いを叶えることを止めたせいなのかもしれませんね」

ノパ听)「願いを叶えるのを止めた?」

*(‘‘)*「……いえ、なんでもないです。
  っと、そうだ、これを受け取ってください!」

ヘリカルが取り出したのは、片手の掌に収まるぐらいのひらべったい布袋だった。

ノパ听)「これは……」

*(‘‘)*「特別なお守りです」

ノパ听)「お守りは扱ってないって言ってなかったか?」

*(‘‘)*「まあま、細かいことは気にしちゃ駄目です!
  御飯のお礼に貰ってくださいな!」

ヘリカルはそう言いながら、ヒートの手に無理矢理お守りを握らせた。

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:35:51.52 ID:uwk4e+cS0
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153 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:36:35.64 ID:9o0CqC+nO
ノハ*゚听)「えへへ、お守りお守り!!
  ありがとな、早速ととにあげ……」

と、不意に強風が吹き付ける。
思わず目をつむるヒート。

ノハ;゚听)「あれっ!!?」

彼女が再び目を開けると、ヘリカルは忽然と姿を消していた。

ノパ听)「夢だった……訳じゃないようだしなあ」

狐につままれたような顔をしながらも、手の中に握ったお守りを確認する。

ノパ听)「んっ、裏に何か書かれた紙が張ってある!
  何々……」

学識ある父から教育を受けているため、
ヒートは若くして文字を読むことができる。
どうやらそれがこの場で活きたようだった。

ノパ听)「これが持つ役割はあなたの努力を助長することのみ、奇跡は日々の努力から。
  むむむっ、なんだか意味深長な響きだけど……正直よく分からないぞっ!!!」

そう叫ぶと、ヒートはお守りを着物の帯に挟み込んだ。

ノパ听)「さーて、薬草採りでもするかぁぁ!!!」

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:36:38.91 ID:uwk4e+cS0
支援

155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:37:30.29 ID:uwk4e+cS0
支援

156 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:37:45.44 ID:9o0CqC+nO
朱に染まった空。

時折飛んでいく烏の存在を除けば、どこまでも赤一色である。

ノハ;゚听)「ふいー、今日も大量大量!!!」

ヒートは額の汗を拭いながらひた歩いている。
背中に背負った籠は草で満杯になっていた。

ノハ*゚听)「えへへっ、とと喜んでくれるかなー!!!」

薬草とお守り、二つの土産を手にしたヒートは、とても上機嫌なようだった。

しかし彼女の表情は、街の入口が見えてきた瞬間さっと変わった。

ノハ;゚听)「……街が燃えてる!!?」

後に明歴の大火と呼ばれる大火事。

幾つもの火事が併発して起こったそれの発端となった火が、
今まさに江戸の街で猛威を奮っていたのだ。

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:37:49.23 ID:WpKzzKGo0
支援

158 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:38:50.87 ID:9o0CqC+nO
明歴元年、一月二十日。



町外れの林に立てられた煙突付きの小屋。
その中からは金属を打ち付けるような、小気味よい音が鳴り響いていた。


と、金属音が止む。


(;´・ω・`)「ふうっ、やっと完成」

音が止んでから少しの間を置いて、一人の男が小屋の外に出てきた。
てぬぐいで額を拭ってはいるが、それでは拭い切れない程の汗が吹き出しているようだ。

(;´・ω・`)「生計を立てるためとはいえ、刀鍛冶も楽じゃないよ」

この男の名はショボン、苗字は無い。
人里離れた場所で刀鍛治をやっている。

159 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:39:47.81 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「それにしても、久々に味わう外の空気の美味いことといったら」

ショボンは両手を組んだまま真上に伸ばし、んっと息を吸った。
と、一羽の小鳥がショボンの肩に止まる。

「ちゅん、ちゅちゅん」
『こんにちはショボン、今日は町に行くの?』

(´・ω・`)「ああ、刀を売りにね」

ショボンは小鳥の心の声に対して答を発した。

「ちゅちゅちゅん、ちゅん」
『気をつけなよ、町は今大変なことになっているから』

(´・ω・`)「大変なこと?」

「ちゅちゅん、ちゅちゅん」
『どうも大火事があったみたいでね、治安が著しく悪化しているんだ』

(´・ω・`)「大火事ねぇ……まあ、危険を察知したら無理せず逃げるさ。
        他人の心を読めるサトリの力も、こういう時には役に立つ」

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:40:30.29 ID:N8pdcbvJO
しえん

161 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:41:01.20 ID:9o0CqC+nO
「ちゅちゅん、ちゅちゅちゅちゅ」
『でも、相手が無言で襲ってくるかもしれないんだよ?
 相手が声を発してくれないと、ショボンは……』

(´・ω・`)「うん、確かに僕は肉声を発している人の心の声しか聞けない。
        それも意識の表面、つまり相手が今、
        一番強く思っていることだけしか分からない」

「ちゅちゅっ!」
『ならっ!』

(´・ω・`)「でも大丈夫、無言の追い剥ぎなんて、流石にいやしないよ」

『ちゅちゅん、ちゅちゅっちゅ』
「それもそうか……じゃあ、またね!」

小鳥は高い声で数度鳴き、空へと飛び立っていった。

(´・ω・`)「サトリの力、ねぇ……」

一人呟き、溜め息をつくショボン。

(´・ω・`)「とりあえず、早々に出発するか」

彼はそう言うと、身支度を整えに小屋の中へと戻っていった。

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:41:29.48 ID:WpKzzKGo0
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163 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:42:04.68 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「こうなることも予想はしていたけど、さてどうしたもんか……」

無惨に焼け落ちた建物の前で、ショボンは一人立ち尽くしていた。
実はその建物こそ、彼が普段刀を売っている店だったのだ。

と、ショボンの背後から彼の肩へと手が置かれる。

(´・ω・`)「あっ、ドクオさん」

彼が振り向いた先にいたのは、焼け落ちた店の主人。
意外なことにその表情は暗くなく、寧ろ嬉々としているようである。

('A`)「よっ、あんたも無事だったのか」
   『よしよし、今日も安く買い叩こう』

(´・ω・`)「ええ、僕の家は町から離れた場所にあるので」

('A`)「そういえばそうだったな。
    おっと、そんなことより、今日も刀を売りにきたんだろ?」
    『変人で人を寄せ付けず、気心の知れないやつ。
     それでも刀鍛治としての腕は確かだから、いい金蔓だ』

揉み手をしつつ、下卑た笑いを浮かべるドクオ。
彼のそんな薄汚い内面を見ても、ショボンは眉一つ動かさなかった。

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:42:26.08 ID:gVZDtgSAO
支援

165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:42:59.52 ID:V+T4hippO
作者さんID:uwk4e+cS0がさるくらわないように頑張って!!

166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:43:02.76 ID:DxWl1mPj0
支援

167 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:43:14.09 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「買い取って頂けるのは有り難いんですが、
        この状況で大丈夫なんですか?」

('A`)「俺が金を支払うことができないだろう、と?」
   『ばーか、舐めんなよ、こちとら三つの支店を持ってんだ』

(´・ω・`)「いえ、気にしないで下さい」

火事の後、ドクオは近くの支店から金を持ってこさせていた。
物資が欠乏した状態で有利な商売を、狙いはそんなところなのだろう。

(´・ω・`)(まったく、商魂ここに極まれりだ)

心の中で嫌味を垂れ流すと、ショボンは刀の値段交渉に意識を移した。

168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:44:03.11 ID:WpKzzKGo0
しえん

169 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:44:24.98 ID:9o0CqC+nO
町外れの林をとぼとぼ歩くショボン。
彼が手に持つ布袋には、売った刀の代金としては些か少な過ぎる額が入っている。

(´・ω・`)「どうにも人間は苦手だなあ」

心からそう思っているのだろう。
彼の常時しょんぼりしたように見える顔は、より一層辛気臭くなったようだった。

「カーカー、カカー!」
『大変だぜショボン、あんたの家に泥棒が入ってる!』

木の枝に止まったカラスがそんなことを言った。

(´・ω・`)「泥棒かぁ……やっぱり人間は苦手だよ……」

力無くそう言い、首をうなだれた。
彼の眉は心持ち、さらにしょんぼりと垂れ下がったようにも見える。

「カカッカカーカー!」
『まだ泥棒はお前の家にいる、急いだ方がいいぜ!』

(´・ω・`)「なら、言葉通りそうさせてもらうかな」

ショボンはカラスに向けて軽く手を振ると、自宅へと向かう足を早めた。

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:45:10.47 ID:VHI5Etne0
支援

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:45:11.50 ID:nOMu5+EqO
支援

172 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:45:40.98 ID:9o0CqC+nO
(;´・ω・`)「………」

ノハ*゚听)「むしゃむしゃ!!!」
  『ああ美味しい、三日ぶりのお米だぁぁぁ!!』

勝手にショボンの家に入り込み、
自分で炊いたであろう米を食べている少女、つまりはヒート。

彼女のあまりに幸せそうな表情を見、
ショボンは声をかけることも忘れてただただ茫然としていた。

ノハ*゚听)「ぷはー、ご馳走様でしたぁぁぁあ!!!」
  『お百姓さんには感謝感謝!』

手を合わせ、箸を机の上に丁寧に置く。
そしてそのままごろりと寝転んだ時、彼女とショボンの目線が合った。

ノハ;゚听)「あっ……」
  『まずい、これじゃ私盗人だぁぁ!』

(;´・ω・`)「……」

ノハ;゚听)「こっ、こんにちは!!!」
  『あああああっ、どうしたらいいんだあ!!』

(;´・ω・`)「はい、こんにちは」

これがヒートとショボンの出会いだった。

173 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:47:25.59 ID:9o0CqC+nO
ノハ;゚听)「もっ、申し訳ありません!!!!」
  『ああっ、許してもらえ……ないよなぁ』

せめて少しでも誠意を見せようと、ヒートは土下座をした。

(;´・ω・`)「えーっと、とりあえず事情を話してくれるかな?」

ノパ听)「……はい」
  『何から話そう?』

頭を上げ、しゅんとした様子で返事をするヒート。
先までの元気そうな様子が嘘のようだ。

ノパ听)「城下町で大火事があったことは知ってますか?」
  『多分知ってる、この人はどこかに出かけていたようだったから』

(´・ω・`)「大変だったみたいだね」

ノパ听)「私はあの火事で家を失ってしまいました」
  『一人じゃどうしようもなかくて、それで……』

174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:47:47.57 ID:WpKzzKGo0
支援

175 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:48:42.12 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「……もう謝ることないよ」

ノハ;゚听)「えっ!?」
  『あわわわ、もしかしてそこに立て掛けられた刀でばっさりとかぁぁ!!?』

(´・ω・`)「お米は僕からのご馳走、そういうことにしとくよ」

ノパ听)「いいんですか!?」
  『この人、もしかしていい人か?』

(´・ω・`)「食料が無くて困っていたんだろう?
    なら、攻めはしないさ」

ノハ*゚听)「わあっ!!! 有難うございます!!!!」
  『うん、この人は優しい人……少しととに似てるし』

(´・ω・`)「とと?」

ノハ//)「あっ、父のことです!!!」
  『うあぁ、無意識に口走っちゃったのかぁぁぁ!?』

(´・ω・`)「ふふっ」

慌てふためく彼女の姿を、ショボンはとても微笑ましく感じた。
彼が人間との触れ合いで笑顔を得るのは、実に数年ぶりのことだった。

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:48:46.33 ID:nOMu5+EqO
支援

177 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:49:53.94 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「ところで」

ノパ听)「何ですか?」
  『恩返しの要望ならいざ来たれぇぇぇ!』

(´・ω・`)「もしかして君って、本当は凄く元気な子なんじゃない?」

ノハ;゚听)「えっ、いや、その……おてんばとはよく言われてました」
  『あれっ、もしや言葉遣いに綻びがぁぁぁぁ!!?』

(´・ω・`)「ならさ、僕に遠慮なんてしないでいいよ」

ノパ听)「でもあなたは、私より年上の人ですし……」
  『儒学では、明らかに私より目上だ』

(´・ω・`)「それなら言葉遣いを変えてってお願いが、さっきのお米の料金ということで」

ノハ*゚听)「わっ、分かりま……じゃなくて、分かった!!!
      気をつけるなぁぁぁ!!!」

おや、とショボンは思った。
何故ならヒートの言葉と同時に、心の声が聞こえてこなかったからだ。

(´・ω・`)「……不思議な子だ」

ノハ;゚听)「えっ、何か変に思われること言っちゃったか!!?」

(´・ω・`)「気にしないで、悪い意味で言ったんじゃないから」

いつの間にかショボンの心は、ヒートに対する好奇心で埋め尽くされていた。

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:50:50.34 ID:WpKzzKGo0
wkwk

179 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:51:23.44 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「そういえば自己紹介がまだだったな!!!
  私は素直ヒート、見習い医者だ!!!!」

(´・ω・`)「見習い医者?」

ノパ听)「うん、医者の父親の手伝いをしてるから見習い医者!!!
  見習いといっても簡単な薬ぐらいだったら作れるぞ!!!」

(´・ω・`)「凄いね、今度教えて欲しいな」

ノパ听)「それはつまり、私の弟子になるということなのか!!?」

(´・ω・`)「ははは……まあ、そういうことになるのかな?」

ノハ*゚听)「おおっ、これでようやく医者らしくなれた気がするぞぉぉぉぉ!!!」

心底嬉しそうに叫び、ヒートはぴょんぴょんと飛び跳ねた。

ノハ;゚听)「うおっ!!!!」

その際彼女は、自分の着物の裾を踏み付け、
思い切り転んでしまうというお約束もやらかした。

ノハ;゚ー゚)「あははは……、気をつけないと」

それでもどこか嬉しそうなのは、やはり彼女の心中の表れなのだろう。

180 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:52:34.04 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「そうそう、一つ提案なんだけど」

ノパ听)「何だ?」

(´・ω・`)「今日からこの家で、僕と一緒に暮らさない?」

ノハ;゚听)「そそそそれはつまり、結婚の申し込みかぁぁぁ!!?」

(;´・ω・`)「いやいや、そうじゃなくて、えーと、ほら……」

ノパ听)「もしかして、行き場の無い私の身を案じてくれたのか!!?」

(´・ω・`)「そういうことになるのかな」

ノパ听)「むぅ、お前の気持ちは嬉しい、嬉しいのだが……。
  弟子に頼ることなど、私にはとてもできんっ!!!!」

父親の受け売りである。

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:53:56.72 ID:gVZDtgSAO
支援

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:56:11.67 ID:WpKzzKGo0
しえん

183 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 22:58:24.64 ID:9o0CqC+nO
その日の夜中、ショボンはふと目を醒ました。

(´―ω―`)(これじゃあ明日の朝が辛いな……)

そんなことを考えつつ、なんともなしにヒートが寝ている筈の布団の方を見やる。

(´・ω・`)「あれっ、いない……?」

かけ布団はぺたんと萎れており、そこに誰もいないことは明白であった。
と、その時、小屋の外から声らしきものが聞こえてくる。

(´・ω・`)「ん?」

ショボンはそっと戸に近付き、耳を澄ましてみた。
僅かな隙間から洩れてくる月光が、彼の顔を幽玄に照らす……。

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 22:59:50.02 ID:nOMu5+EqO
支援

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:00:16.81 ID:VHI5Etne0
支援

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:00:27.72 ID:gVZDtgSAO
支援

187 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:01:27.57 ID:9o0CqC+nO
「ぐすっ、ぐすっ……」
『とと、会いたいよ』

それはヒートの泣き声だった。

「ぐすっ、ぐすっ、ぐすっ……」
『医者としての弟子もできたんだ、今度会わせたいぞ』

(´・ω・`)「ヒート……」

「ぐすっ、ぐすっ……うううっ……」
『だからもう一度言ってよ、おかえり、今日はご苦労様って。
  そしたら私はととに抱き付いて、精一杯甘えて……』

ショボンは後悔していた。
安易にヒートの心を覗き続けてしまったことを。

(´・ω・`)「おやすみヒート」

そう呟きがちに、再び布団へと潜り込む。

(´―ω―`)「ごめんなさい」

小さくそう言うと、彼は次なるまどろみへと落ちていった。

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:02:29.79 ID:WpKzzKGo0
支援

189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:03:13.10 ID:gVZDtgSAO
支援

190 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:03:18.82 ID:9o0CqC+nO
明歴元年、一月二十一日。


木製の窓から柔らかな朝日が降り注ぐ。
時折聞こえてくる小鳥のさえずりは、まるで朝を告げる調べのよう。

ノハつ<)「ふぁぁぁぁ!!!」

あくびをしつつ、むくりと上半身を起こすヒート。
目を擦り、寝ぼけた頭で辺りをキョロキョロと見回した。

ノハ--)「あれ……?」

ノパ听)「ショボ、いないの?」

そう呟き、首を傾げつつ立ち上がる。
そしてショボンを探しに、他の部屋へと向かっていった。

191 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:04:37.87 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「ショボぉぉぉ!!?」

叫びながら勢いよく障子を開ける。
しかしその先に、ショボンの姿はなかった。

ノハ;゚听)「ショボ、いないのか……?」

この家には釜戸や囲炉裏がある大部屋と、そこから障子で仕切られた寝室の二部屋しかない。
よって、彼はこの家の中にはいないということになる。

ノハ;゚听)「ショボぉぉぉ……」

彼女の声には、不安の音が多いに混じっていた。

192 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:06:44.61 ID:9o0CqC+nO
一方その頃、小屋の外。
辺りの木をガサガサと揺らしている男が一人。

(´・ω・`)「うーん、中々キンカンが見つからない。
        冬の果物っていったら、あれが思い浮かぶんだけどなぁ」

ショボンはそう呟き、またキンカン探しの作業を続ける。
昨夜うっかりヒートの涙と心を見てしまったことに対する、彼なりの拭罪のつもりなのだろう。

「コンコン」
『よっ、ショボン』

不意に木の陰から現れた狐が、ショボンに向かってそう鳴いた。
嫌に目付きが悪く、加えて毛も黒ずんでいるようである。

(´・ω・`)「なんだ、嘘つきコン兵衛か」

「コココーン、コンコンコココン」
『酷い言いようだな、折角キンカンの木の在りかを教えてやろうと思ったのに』

(´・ω・`)「本当かい?」

「コン! ……コンコン」
『勿論! ……お代は油揚げ二枚で』

(´・ω・`)「しょうがないなぁ、今日の夜までに用意しとくよ」

「コーン!」
『毎度!』

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:07:16.28 ID:WpKzzKGo0
支援

194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:07:59.31 ID:gVZDtgSAO
支援

195 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:08:08.29 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「ふうっ」

両手にキンカンを抱えながら、ショボンは自宅へと向かっていた。

(´・ω・`)「嘘つきつねも、たまにはちゃんとした情報を教えてくれるんだな」

呟きつつ、玄関である引き戸の前に立つ。
それを引いて開けようとした時、ショボンはある問題に気がついた。

(´・ω・`)「両手が塞がってる……」

仕方なく足で戸を開けようと、木の板に下駄を当てる。
カンッ、木と木が触れる音がした。

(´・ω・`)「このまま擦らせて……」

と、彼が足を当てていた戸が、凄い勢いで開かれた。

(;´・ω・`)「なっ!?」

片足を当てていた場が動いため、ショボンはバランスを崩しかけた。

ノハ;;)「ショボぉぉぉぉぉぉ!!!!」

そこに家の中から出てきたヒートが飛び付く。
結果として、

(;´・ω・`)「うわあああああっ!!!」

彼は思い切り転ぶはめになったのだった。

196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:09:21.35 ID:WpKzzKGo0
しえん

197 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:09:33.71 ID:9o0CqC+nO
(;´・ω・`)「いてて……」

ノハ;;)「心配したんだぞぉぉぉ!!!」

ショボンに抱き付いたまま、涙目でそう言うヒート。
腕に篭められた力は、少女のそれとは思えない程に強い。

(´・ω・`)「キンカンを採りに行ってたんだ」

ノハ;;)「えっ!!?」

(´・ω・`)「ほら、見てみてよ」

そう言いながら、周囲に散らばったキンカンを指差す。
それを見たヒートは、ゆっくりとショボンから身を離した。

ノパ听)「私を置いてどこかに行った訳じゃなかったのか」

(´・ω・`)「僕は黙っていなくなったりはしないよ」

ノパ听)「……よかったぁ!!」

ノハ*゚听)「ありがとな、ショボ!!!!」

(´・ω・`)「どう致しまして。
    それと、僕の名前はショボンだよ」

ノパ听)「だからショボだろぉぉぉ!!?」

(´・ω・`)「……まあいっか」

198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:11:25.35 ID:gVZDtgSAO
支援

199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:11:26.18 ID:nOMu5+EqO
しえ

200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:12:10.03 ID:WpKzzKGo0
しえん!

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:12:14.65 ID:VHI5Etne0
支援
日本勝ったー

202 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:12:37.85 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「キンカンを、食えばニコニコ、楽しいぞ」

(´・ω・`)「橙皮(だいだいひ)、守るは甘き、宝かな」

ノパ听)「ってことで」

(´・ω・`)ノパ听)「「いただきます!!」」

二人して笑顔でキンカンに噛り付く。
しかし彼等の表情は、一瞬にして凍りついた。

ノハ;゚听)「あっぐううぅぅぅい!!!!」

(;´・ω・`)「もしかしてキンカンって、生で食べるべきじゃなかった……?」

顔を歪め、キンカンの実をペッと地面に吐き捨てる。

ノハ;゚听)「あー、びっくりした!!!!」

(´・ω・`)「ふふふっ、本当だね」

ノハ;゚听)「笑うなんてどうしたんだショボ、あぐみでおかしくなったか!!?」

(´・ω・`)「いや、ヒートを見てたら、なんだか色々とどうでもよくなっちゃってね。
        一応キツネのために、油揚げ用意しとくか」

203 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:14:06.98 ID:9o0CqC+nO
ノパ听)「キツネ?」

(´・ω・`)「ああ、キンカンの木の有りかはキツネに聞……」

ショボンは発しかけた言葉を途中で切った。



「あなた、こんな子気味が悪い」

「こうなったら追いやってしまうか」

「そうしましょう、物の怪の力を持つ子だなんて恐ろし過ぎるもの」



人や獣の心を読む力を持った彼を、回りの人々は――彼の両親でさえ――忌み嫌った。

ショボンの一族は刀鍛冶の名門であり、そのため資産は存分にあった。
その一部を使ってここに小屋を建てると、彼等はショボンをその小屋に追いやったのだ。
自活する手段を残したのは、せめてもの情けといったところだろうか。

そんな過去があったから、ショボンは他人がサトリの能力に気付くことを極度に恐れていたのだ。

204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:15:03.41 ID:vzZ2vzSb0
支援

205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:15:51.24 ID:WpKzzKGo0
しえん

206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:17:59.06 ID:nOMu5+EqO
しえん

207 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:18:43.82 ID:9o0CqC+nO
だが、ヒートの反応は彼の予想とは違った。

ノハ*゚听)「すっごぉぉぉい!!!」

彼女は動物と話すことができるるショボンを気味悪がるどころか、
その不思議な能力に感嘆してみせたのだ。

ノハ*゚听)「ショボは動物と話せるのか!!!
  いいなぁ、羨ましいぞぉぉぉ!!!!」

(´・ω・`)「ヒートは僕の力を気味悪がったりしないの?」

ノハ*゚听)「あったり前じゃないかぁぁぁぁ!!!!
  なぁ、よかったら私の前で動物と話してくれないか!!?」

(*´・ω・`)「……うんっ!」

今まで大嫌いだったサトリの力を、ショボンは初めて誇らしく感じた。

208 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:20:40.49 ID:9o0CqC+nO
森の中にある、広場のように開けた場所。
近くには澄んだ小川が通っている。

ショボンとヒートはそこにある倒木の上に座り、鳥達と話をしていた。

ノパ听)「こいつはそんなことを言っているのか!!!!」

ヒートは肩に止まった小鳥の頭を撫でる。
茶色い羽を生やしたその鳥は、気持ちよさそうに首をすぼめた。

(´・ω・`)「ありがとう、だってさ」

ノハ*゚听)「可愛いやつだなぁぁぁ!!!」

と、一羽のカワセミがショボンの傍に止まった。

「ちーちーちー」

(´・ω・`)「んっ……何々?」

ノパ听)「何て言ってるんだ?」

(´・ω・`)「魚捕り対決をしよう、だってさ」

209 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:21:55.72 ID:9o0CqC+nO
ショボンとヒートは川岸に腰掛け、竹と麻で出来た釣り竿を水へと垂らしている。
彼等はカワセミの仕掛けた勝負に乗ることにしたのだ。

ノパ听)「釣れないなぁ」

(´・ω・`)「まだまだこれからだよ……んっ?」

「ちーちー!」

カワセミが小さめの魚をくわえて飛んできた。

ノハ;゚听)「やばっ!!」

(´・ω・`)「大丈夫、制限時間は太陽が真上にいくまでだ。
    これより大きな魚だって、きっと釣れるさ」

ノハ*゚听)「そうだよな!!!」

ノパ听)「おぉぉし、頑張るぞぉぉぉ!!!!」

(;´・ω・`)「大声出したら魚が逃げちゃうよ」

ノハ;゚听)「しまったぁぁぁ」

210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:22:31.51 ID:WpKzzKGo0
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211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:06.86 ID:gVZDtgSAO
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212 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:23:34.79 ID:9o0CqC+nO
ノハ;--)「一向に釣れないぞ」

(´・ω・`)「うーん、ここまで調子悪いのは久々だなぁ」

彼等が釣りを開始してから既に二刻は経過した。
時間までは、あと一刻ほど。
ちなみにカワセミは三匹の小さな魚を捕まえてきた。

ノパ听)「よし、決めたっ!!!」

ヒートはそう言うと、着物の裾を捲くり上げ始めた。

(;´・ω・`)「何をするつもりなの?」

ショボンはどこか気恥ずかしいのか、ヒートから目を背けてそう尋ねた。

ノパー゚)「決まってるだろ」

彼女はニコリと笑い、川を覗き込む。

ノハ*゚听)「素手で捕るんだぁぁぁ!!!」

そう言いながら地を蹴り、川へと入っていった。
澄んだ水のしぶきが、キラキラと辺りに飛び散る……。

213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:24:21.49 ID:nOMu5+EqO
支援

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:24:34.72 ID:WpKzzKGo0
しえん

215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:24:36.27 ID:VHI5Etne0
しえん

216 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:24:51.67 ID:9o0CqC+nO
結論から言おう、ヒートは魚を捕ることができなかった。
勝負は結局カワセミの勝ちとなったのだった。

ノハ;><)「くしゅん!!!」

代わりにヒートは、要らない物を得てしまった。

ノハ;;)「風邪ひいたぞぉぉぉ!!!」

涙目でガタガタと震えるヒート。
腰程度の深さとはいえ川に入ったため、彼女は風邪を患ってしまったのだ。

(;´・ω・`)「まったく、もう」

ノハ;;)「面目ない……」

涙目を浮かべるヒートだったが、
一瞬おいてから突然、その顔を輝かせた。

ノハ*゚听)「そうだっ、こんな時こそショボに、
      薬の作り方を実演して見せればいいじゃないか!!!」

217 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:26:15.99 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「で、材料になる草なんかは?」

ノハ;゚听)「しまった、そんなもん無いぞぉぉ!!!」

(´・ω・`)「……」

ノハ;;)「ショボが軽蔑した目で見てくるぅぅぅ!!!」

(´・ω・`)「ぶっ、あははははっ!」

ノハ;゚听)「むー、笑うことないだろっ!!!」

(´・ω・`)「ごめんごめん、あんまり表情が豊かだから、見てて気持ちよくてね。
        とりあえず、今日はゆっくり休みなよ」

ノパ听)「うん……、ありがとな、ショボ」

218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:27:10.69 ID:gVZDtgSAO
支援支援支援支援支援

219 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:27:57.99 ID:9o0CqC+nO
明歴元年、二月四日



ノパ听)「おおっ、夜の内に雪が降ったみたいだな!!!」

ガラガラと戸を開けて外を一瞥し、ヒートはそんなことを言った。
容赦なく飛びこんでくる眩しい朝日に顔を顰めながらも、
彼女の表情はその嬉びの色をあらわにしている。

(´・ω・`)「それなら外出を控えたいね」

ノハ;;)「えー……」
    『遊びたい』

不満げな顔にうっすら涙を浮かべてショボンを見つめる。
彼女はサトリの能力を、単に動物と話せるだけのものだと思っている。
そのため本人は気がついていないのだが、その心中はショボンにだだ漏れだ。

(´・ω・`)「ヒート一人で行く分にはいいと思うよ」

ノハ><)「うー……」
    『一緒がいい』

(´・ω・`)「……やっぱり久々に、僕も遊んでみようかな」

ノハ*゚听)「おおっ、さっすがショボだ!!!!」

(;´・ω・`)「だから僕はショボじゃなくてショボン……って、早々に行っちゃった」

220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:28:46.78 ID:wqdQ1nQKO


221 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:29:39.13 ID:9o0CqC+nO
((;´・ω・`))「さささ寒い!」

家から外に出、彼は開口一番にそう述べた。

ノパ听)「よし、私がショボを暖めてやろう!!!」

ノパ听)つ====〇「とりゃっ!!!」

(´>ω<`)「うわっ!」

ヒートが投げた雪玉は、ショボンに当たって弾け散った。

(;´・ω・`)「これじゃあ、余計に寒くなっちゃうよ!」

ノパ听)「ふっふっふ、本当にそう思うか?」

(´・ω・`)「そりゃ当たり前で……」

ノパ听)つ====〇「とりゃっ!!!」

(´>ω<`)「うわっ!」

再びショボンに雪玉がぶつけられた。

222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:31:05.04 ID:gVZDtgSAO
支援

223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:32:20.62 ID:nOMu5+EqO
支援

224 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:33:23.20 ID:9o0CqC+nO
(#´・ω・`)「いくらなんでも怒るよ」

そう言いつつ、しゃがみ込んで雪玉を作り始める。

( ´・ω・)つ====〇「たあっ!」

ノハ;゚听)「うおっ!!」

今度はヒートが雪玉を喰らった。

ノパ听)「よし、仕返しの仕返しだぁぁぁ!!!」

(´・ω・`)「負けないぞ!!」

その声を合図に雪玉、さらには笑い声が飛び交い始めた。

ノハ*゚听)「ほらっ、動いたら暖かくなってきたろ!!?」

(*´・ω・`)「そうだねっ!!」

キラキラと日光を反射して輝く雪の飛沫。
そして、それに負けないぐらいに眩しい二人の笑顔。

冬の日の朝の、ちょっとした出来事。

225 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:35:25.08 ID:9o0CqC+nO
明歴元年、二月十三日。


畳敷きである寝室にて、ショボンとヒートが正座しながら向き合っている。

(´・ω・`)「これでいいかな?」

ショボンはそう言って、茶褐色の液体が入った磨り鉢を差し出す。
ヒートは鉢を受け取ると、真面目な顔をしてその液体に口をつけた。

ノハ--)「ふむ……悪くはない」
    『あああああっ、やっぱり甘草の不思議な甘みは最高!!』

ノパ听)「だがしかーし、まだ心が篭り切っていない!!!
      だからえーと……、あれだ、精進するんだ!!!」
     『やっぱり甘い物はいいな。
      なんだか久々に、あんこが食べたくなってきたぞ』

(´・ω・`)「ふふっ」

ノハ;゚听)「なっ、何故笑う!!?
      自分が作った薬をけなされたんだぞ、笑い所じゃないぞ!!?」

(´・ω・`)「ははは、精進します。
        ……今度、草饅頭でも食べようか」

226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:37:23.59 ID:nOMu5+EqO
支援

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:37:48.02 ID:VHI5Etne0
支援

228 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:38:12.18 ID:9o0CqC+nO
明歴元年、二月二十七日。



(´・ω・`)「今日は静かだなぁ」

呟きつつ、一人工具の手入れをするショボン。

ヒートとショボンは昨日町へ行き、そこでヒートの父と旧知の仲だった男と出くわした。
そしてその際、本草学に関する本を譲り受けたのだ。
だからヒートは現在、それを使って勉強をしている。

(´・ω・`)「ああ見えて、本の虫だもんなぁ」

「きぃきぃ」
『こんにちは』

と、木組みの窓を器用に開け、一匹のリスが部屋へと入ってきた。

(´・ω・`)「久しぶり、キュート」

「あはは、やっぱりバレちゃった?」

キュートと呼ばれたリスは、人間の女の声でそう言った。
直後、リスを中心に白い煙が立ち込める。
それが晴れた時、

o川*゚ー゚)o「ひさしゅうございます、なんちゃて」

ショボンやヒートとは明らかに異質の服……スカートを身につけた女性が、そこにいた。

229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:37.83 ID:WpKzzKGo0
しえん

230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:39:16.99 ID:gVZDtgSAO
支援

231 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:39:34.09 ID:9o0CqC+nO
(´・ω・`)「女狐も化けるもんだ」

o川*゚ー゚)o「ノンノンノン、私は女狐なんかじゃなく、れでぃーキュートなのです!」

(´・ω・`)「のんのんのん? れでぃー?」

o川*゚ー゚)o「いやー、ちょっと遠出してたら、海の外から来た鳥さんに出会っちゃってね。
       その時に学んだ言葉だよん」

(´・ω・`)「ああ、異国の言語なんだ……。
        それで、ここには何の用? 食べ物目当て?」

o川*゚ー゚)o「なんでそんなこと言うんよ、ひどいなぁ。
       いやね、久々に君に会いたいなって、本当にそれだけ」

(´・ω・`)「好きあらば、油揚げをくすねようとする癖に」

o川;゚ー゚)o「それはそれ、これはこれ、明日は明日の風が吹くってね」

(´・ω・`)「分かったような、よく分からないような」

232 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:41:21.63 ID:9o0CqC+nO
o川*゚ー゚)o「それにさ、秘密が通じない君に嘘ついても意味ないじゃん」

(´・ω・`)「確かにそれはそう……って、あれ?」

o川*゚ー゚)o「どうしたん?」

(´・ω・`)「そういえば、君の心の声が聞こえないなって思って」

o川*゚ー゚)o「ああ、それは思ったことを素直に言ってるからだと思うよ。
       話し言葉と心の声とやらが同じなら、多分両方が被って聞こえるでしょ?」

(´・ω・`)「ああ、なるほど!」

(´・ω・`)(ヒートの心が時々しか読めないのも、きっとそれが原因かな)

233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:41:37.49 ID:VHI5Etne0
支援

234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:42:07.08 ID:nOMu5+EqO
支援

235 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:42:50.58 ID:9o0CqC+nO
o川*゚ー゚)o「にしても、君も随分とやるようになったもんだね」

そう言って、障子の方を指差す。

o川*-ー-)o「うむむ、若い女の臭いがぷんぷんする」

(;´・ω・`)「どこの助平河童だよ」

o川*゚ー゚)o「助平は助平でも、私は可愛い女の子になれるわけやん。
       だからむしろ、助平も長所になっちゃうのです!」

(´・ω・`)「どこから突っ込めと……。
        というか、相変わらず話し方に整合性がないね」

o川*゚ー゚)o「んー、意識してるつもりはないんやけどね。
       私、他人の影響受けやすい性質だから」

キュートはそう話すと、突然ショボンに抱き付いた。

(;´・ω・`)「えっ、ちょっ、いきなり何を……」

o川*-ー-)o「奥にいる女の子が君のことをどう思ってるか、試してあげる」

(;´・ω・`)「へっ?」

o川*>ー<)o「会いたかったよショボン、また二人で愛に満ちた生活を営んじゃおうね!!」

キュートはショボンに抱き付いたまま、大声を出してそう言った。

236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:45:15.45 ID:WpKzzKGo0
しえん

237 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:45:18.77 ID:9o0CqC+nO
ノハ--)「ふむ、土と草とを混ぜ合わせる際に、火や水を用いるか否かの判断は……」

「会いたかったよショボン、また二人で愛に満ちた生活を営んじゃおうね!!」

ノハ;゚听)「ん……?
     女の客人が来ているのか?」

「ちょっ、ちょっと!!」

「ああっ、ショボン、昼間っからそんな大胆なっ!!!」

ノハ//)「なななななな何だこの怪しからん声は!!!!
     むむむ……」

「ショボン、いい、あなた最高!!!」

「落ち着いて、頼むから落ち着いてよ!!!」

「いやん、意地の悪いこと言わないで!!」

ノハ;゚听)「気になって本が読めん。
      仕方ない、直接行って見てくるか」

238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:46:10.81 ID:gVZDtgSAO
支援

239 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:46:55.95 ID:9o0CqC+nO
ノハ;゚听)「ショボ、一体何をやって……」

ガラガラと勢いよく障子を開けるヒート。
その先には、

o川*>ー<)o「きゃーきゃー、助平助平!!!」

(;´・ω・`)「だから落ち着いてって!!」

倒れ込みながら抱き合っている二人の姿があった。
実際にはキュートが一方的にショボンを捕まえて離さないのだが、
ヒートの目からそんなことは分からない。

o川*>ー<)o「あっ、胸に触ったな!!」

(;´・ω・`)「そんなとこ触っていな……んっ?」

ノパ听)「………」

(´・ω・`)「………」

o川*゚ー゚)o「わくわく」

240 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:49:19.66 ID:9o0CqC+nO
ノハ//)「わわわわわわ私は何も見なかった、何もだ!!!」
    『ショボの変態っ!!』

(;´・ω・`)「ちょっと待ってよヒート、これは誤解だって!!」

ノハ;゚听)「さあて、勉学に励むかっ!!!!」
     『忘れよう、うん』

o川*゚ー゚)o「あらら、戻ってっちゃった」

(´・ω・`)「ショボーン」

o川*゚ー゚)o「しかしまあ、江戸の世には珍しくうぶな子やん。
      ショボン、頑張りなよ」

(´;ω;`)「いや、もう、間違いなく変態視されたって」

o川;゚ー゚)o「あらら、なんか素でへこんじゃってる」

241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:52:50.05 ID:gVZDtgSAO
支援

242 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/02(日) 23:53:22.98 ID:9o0CqC+nO
日が暮れ始め、朱の光が空を占める時間帯となった。

o川*゚ー゚)o「それじゃ、そろそろおいとましようかな」

(´・ω・`)「つーん」

o川;゚ー゚)o「いつまでも拗ねないの!」

(´・ω・`)「だってさぁ」

o川*゚ー゚)o「もうっ、男の子なんだから堂々とした態度でいなさい!」

そう言うと、キュートはショボンの耳に口を近づけてこう付け加えた。

o川*^ー゚)o「そうすれば、きっとあの子と相思相愛になれるよ」

(;´・ω・`)「べっ、別にそこまでは望んでいないよ」

o川*゚ー゚)o「どうだか……。
       ま、頑張りなよ。私はまた適当にぶらつくけど、
       今度ここに来た時には、君らに当て付けられることを期待しとくから」

(;´・ω・`)「当て付けるって……」

243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:54:02.46 ID:nOMu5+EqO
痴……女……?

244 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:02:40.45 ID:aqpdFX5TO
明歴元年、三月二十日。


ショボンとヒートが共に暮らし始め、はや二月が経過した。
その間、大きないさかいが起きることも無く、積み上げられたのは安穏とした日々。

そんな中、冬の、ある肌寒い昼下がりのこと。

ノハ><)「さぶぃぃぃ!!!」

(´・ω・`)「この分じゃ、今夜辺り雪が降るかもしれないね」

ノパ听)「雪かぁぁ、また一緒に遊ぼうな!!!」

(´・ω・`)「うん!」

二人はいつものような会話をしつつ、それぞれ薬や刀を作る作業に精を出していた。

245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:02:44.68 ID:yXbepUX5O
支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援支援

246 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:04:18.14 ID:aqpdFX5TO
ノパ听)「後は寝かせておけば完成、っと」

ヒートはそう呟くと、煎じたての薬が入った鉢を床に置き、
すっくと立ち上がった。

ノパ听)「ちょっと出かけてくるな!!!」

(´・ω・`)「どこに行くの?」

ノパ听)「……薬の材料を探しにな!」
    『町に出かけることには感づかれたくない』

(´・ω・`)「そっか、気をつけてね」

ノパ听)「ああ、なるべく早く帰るから!!!」
    『今日はあくまで様子見にしよう』

247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:04:52.21 ID:JIqonpjQO
支援

248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:04:53.87 ID:i7zfbZ5dO
支援

249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:04:59.38 ID:yXbepUX5O
支援!

250 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:06:05.49 ID:aqpdFX5TO
(´・ω・`)「様子見って、なんのさ……」

誰もいなくなった家の中、ショボンは一人呟いた。

(´・ω・`)「心の声、か。
        ま、誰にだって隠し事ぐらいあるよね」

一人納得したショボンは、再び刀作りに没頭し始める。

カンカンカン、鉄を打つ音と、
ぱちぱちと囲炉裏で火が弾ける音のみが、その場に鳴り響いていた。

251 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:07:50.85 ID:aqpdFX5TO
明歴元年、三月二十七日。


ノパ听)「ショボ、今日も出かけてくるな」
    『こっそりお金を持った、そのことには気付かれていないようだな』

彼女が単独で町に出るのは、これで八日連続。
ショボンそのことについて訝り始めていた。

(´・ω・`)「……ねえ、ヒート」

ノパ听)「どうした?」

(´・ω・`)「もしかして、何か隠し事とかしてないよね?」

ノハ;゚听)「わわわ私がそんなことする性格に思えるか!!?」
     『もしかして気付かれたのか?
      そしたらこの計画の意味は、半減してしまう』

(´・ω・`)「……いや、何でもないよ。
        気をつけていってらっしゃい」

ノパ听)「ああ、いってきます!!!」

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:08:22.99 ID:yXbepUX5O
支援

253 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:09:22.65 ID:aqpdFX5TO
(´・ω・`)「ヒート、信じていたのに」

ショボンはその人格に大きな欠点を持っていた。
彼はサトリの能力柄、重度の人間不信だったのである。

とはいえ、常に本音を語るヒートと触れ合うことで、
その欠点は少しずつ解消されようとしていた。

だが……。

(´・ω・`)「ヒートはお金を持ってここから出ていった。
        きっと僕に嫌気がさして、それで逃げることにしたんだ」

反動。

ショボンは一度ヒートに多大な信頼を寄せた分、
それが揺らいだ現在、彼女に極端な疑念を抱いてしまっていた。

(´・ω・`)「本当、信じていたのに」

もはや今の彼は、誰かを信じるという行為を放棄している。
突飛な行動のようではあるが、彼にはそうする以外の考えが浮かばなかったのだ。

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:09:37.04 ID:mg1vkzAT0
支援

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:10:28.80 ID:JIqonpjQO
支援

256 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:10:47.92 ID:aqpdFX5TO
(´・ω・`)「そういえば、彼女が作った脇差しがあったな」

呟きつつ、完成した刀をまとめて置いてある場所へと近付く。
ショボンその中から、取り分け不格好な小刀を取り出した。
ものは試しとショボンに見守られながら、ヒートがその手で作った物である。

(´・ω・`)「ヒート、いつの間にか僕は君のことを……だからこそ、耐えられないんだ」

(´―ω―`)「信じてやれなくて、ごめん。
        真実を知ることから逃げて……ごめん」

誰も信じられないことに対する絶望を肥料とし、
この部屋に赤黒い花が咲いたのは、数瞬後のことだった。

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:12:11.85 ID:2wVWqCs8O
支援

258 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:12:35.86 ID:aqpdFX5TO
ノパ听)「ショボ、喜んでくれるかなぁぁぁ!!?」

軽快な足取りでショボンの家へと向かうヒート。
その手には、一足の鞋が握られている。

ノパ听)「ショボの鞋は傷んでいたからな、きっとこれが一番だろう」

ショボンの予想とは裏腹に、ヒートが頻繁に町へと繰り出していたのは、
彼女がショボンへの恩返しとして贈る品物を探すためだったのだ。

ノパ听)「喜んでくれたら、こっそり薬を売ってお金を貯めた甲斐があったってもんだ!!!」

と、ショボンの家が彼女の視界へと入ってきた。
彼が驚きながらも喜ぶ様を想像し、計らずも口元を緩ませる。

自然と歩調も早まった。

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:13:12.08 ID:yXbepUX5O
支援

260 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:14:04.31 ID:aqpdFX5TO
ノパ听)「あれっ!!?」

引き戸の前で、ぴたりと足を止める。

ノパ听)「鉄を打つ音が聞こえないな。
     ……休憩してるのか?」

不審に思いながらも、すぐに表情を元に戻す。
そして口の両端に指を当て、軽く口角を吊り上げた。

ノパー゚)「笑顔、笑顔っと」

そうして、勢いよく戸を引いた。

261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:14:06.54 ID:2tJfGk/j0
うわああああああ

262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:14:35.89 ID:2wVWqCs8O
\(^q^)/

263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:14:52.86 ID:JIqonpjQO
支援支援

264 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:15:51.71 ID:aqpdFX5TO
ノパ听)「ただい…ま……?」

(´―ω―`)「………」

ノパ听)「えっ、ショボ……?」

血まみれで床に倒れ込んでいるショボン。
ヒートはよろよろと彼に近付いていく。

ノハ;゚听)「嘘だろ、嘘だろショボ!!!」

脈動を確かめようと、ヒートは彼の手首に手を当てた。

ノハ;゚听)「大分弱まって……早く止血しないと!!!!」

そう叫び、応急処置にと手近なてぬぐいで傷口を縛りつける。

ノハ;゚听)「駄目だ、こんなんじゃ血が止まらない」

ヒートは何か適当な薬がないものかと、必死に辺りを探し周り始めた。
しかし彼女が目当てとする種の薬は、一向に見つかる気配を見せない。

ノパ听)「あっ、お金にするために売っちゃったから……」

ノハ;;)「うっ、ああっ、どうしよう……」

ヒートは床に手を付き、ボロボロと涙を流し始めた。

265 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:17:49.42 ID:aqpdFX5TO
ノハ;;)「嫌だ、ショボまで失いたくない!!!!」

頭を掻きむしり、床に拳を叩きつける。
手に痣ができたが、そんなことなど気にも止めない。

ノハ;;)「どうして、本当にどうして!!?」

「彼は、可哀相な人なんです」

不意にヒートの背後から声がした。

ノハ;;)「っ!!?」

彼女が振り向いた先にいたのは、

*(‘‘)*「お久しぶりです」

ノハ;;)「ヘリカル……」

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:18:13.95 ID:yXbepUX5O
しえええ!

267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:18:19.54 ID:2tJfGk/j0
しえん

268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:19:18.23 ID:i7zfbZ5dO
支援

269 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:19:33.28 ID:aqpdFX5TO
ノハ;;)「ヘリカル、私はどうすればいいんだろう。
     ショボを救うためには一体……」

*(‘‘)*「あなたは一人前の医者を目指し、日々頑張ってきた筈です。
      ならば今やるべきことは一つでしょう?」

ノハ;;)「えっ?」

*(‘‘)*「ほんの少し、手助けします」

そう言ってヒートの着物の帯に手を添える。
直後、帯の隙間から光り輝く物体が浮かび上がった。

それは、以前ヘリカルがヒートに贈ったお守りだった。

270 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:21:06.13 ID:aqpdFX5TO
*(‘‘)*「願いとは、そしてそれを叶える奇跡とは、きっと日常の延長にあるものです。
      それが起こせるかどうかは、あなた自身が一番よく知っているでしょう」

ノハ;;)「奇跡……」

お守りが独りでにヒートの手の上に乗った。
そしてその中から、黄金色の粉が溢れ出してくる。
それは霊木を用いて作られた特別な薬だった。

*(‘‘)*「守れますよね、大切な人を」

ノハ )「……一番大切な人も救えなかったら、何が見習い医者だって話だよな」

ノパー゚)「ありがとう、私、頑張るよ」

271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:21:37.43 ID:mg1vkzAT0
支援

272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:21:41.37 ID:2tJfGk/j0
支援

273 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:22:30.15 ID:aqpdFX5TO
ノパ听)「まずはこれを火に焼べて……」

基本に忠実に、できる限り冷静に。
今まで積み重ねてきた鍛練を足場に、ショボンを救うという願いへと手を伸ばす。

ノパ听)「奇跡は起きる、起きなくても起こす」

いつになく真剣な表情で、ヒートはそう呟いた。

ノパ听)「よし、後はこれで……」

有り合わせの材料で作った薬と、お守りに入っていた薬とを混ぜ合わせる。

ノパ听)「ショボン、待っていてくれよ!!!!」

274 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:24:04.63 ID:aqpdFX5TO
ちゅんちゅん。

スズメの鳴き声。

差し込んでくる、暖かな朝の陽光。

(´つω―`)「んんっ」

目元を擦りながら、ショボンがもぞりと動いた。

(´・ω・`)「あれっ、僕は死んだはずじゃ……」

「気がつきましたか?」

(´・ω・`)「君は?」

*(‘‘)*「どうも、ヘリカルといいます」

そう言って微笑んでみせるヘリカル。
ショボンは彼女に軽く笑い返すと、
血に塗れた自分の服と、泥のように眠っているヒートとを見比べた。

(´・ω・`)「……教えてくれないかな、昨夜何が起こったのかを」

275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:24:10.95 ID:i7zfbZ5dO
支援

276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:24:23.63 ID:JIqonpjQO
支援

277 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:25:33.40 ID:aqpdFX5TO
(´・ω・`)「そうか、ヒートが……」

ヒートが自分を治療したこと、
また、自分のために鞋を買いに行っていたことを聞いたショボンは、
とてつもない罪悪感に苛まれた。

(´・ω・`)「僕はなんということを……」

*(‘‘)*「ある所に、一柱の神がいました」

突然、そう語り出すヘリカル。

*(‘‘)*「神は自分を慕ってくれる人間が大好きで、
      彼等が願うそばからその望みを叶えてきました。
      彼女はそれが彼等のためになると考えていたのです……そんな筈ないのに」

(´・ω・`)「………」

*(‘‘)*「神に願いを叶えられた人間は、いつしかそれに頼り切るようになってしまいました。
      そんな人間に嫌気がさした神……私は、彼等の願いを叶えることを止めたのです」

278 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:27:37.27 ID:aqpdFX5TO
*(‘‘)*「するとすぐに神社は荒れ果て、そこで私は、私を慕っているように見えた人間が、
      実は下心のみで自分に近付いて来ていたことに気がつきました。
      そうして人間に嫌気がさしてから月日が流れたある日、私はヒートに出会います」

(´・ω・`)「ヒートに……」

*(‘‘)*「彼女は、真っ直ぐな人でした。
      いつの間にか私は、再び人を信じてみたくなりました。
      そして今、信じてよかったと、心から思っています」

(´・ω・`)「ヒートは純粋だからね。
        なのに、僕は信じてやれなかった」

*(‘‘)*「大切なのはこれからどうするかです。
      彼女はきっと笑ってあなたを許してくれますよ」

(´・ω・`)「そうだね、ヒートならそうするだろう。でも……」

そこで言葉を区切り、目をつぶる。

(´―ω―`)「……言伝を頼めるかな」

279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:27:42.48 ID:yXbepUX5O
支援です

280 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:28:57.66 ID:aqpdFX5TO
ノハつ-)「ううっ……」

ノハ;゚听)「そうだっ、ショボンはどうなった!!?」

勢いよく起き上がり、辺りを見渡す。
しかし部屋内にいたのは、ヘリカルのみだった。

*(‘‘)*「彼ならここから出ていってしまいました」

ノハ;゚听)「どういうことだ!!?」

*(‘‘)*「……あなたへと預かった言葉があります」

281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:29:11.58 ID:JIqonpjQO
支援

282 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:30:55.87 ID:aqpdFX5TO
ヒート、馬鹿なことをしてごめん。
白状するよ、僕は君が自分から黙って離れていくんじゃないかと疑って、あんなことをしたんだ。

謝ることはもう一つある。

君は僕の能力を、動物と話せることだと思っていたよね。
でもそれは間違いで、僕の本当の能力は、誰かの心の表装を知れること。
動物と話せていたのも、彼等の心を読めたからなんだ。
君の心の中を見てしまったことも、何度かあった。

大事なことを隠して、それなのに君を疑ったりして、本当にごめん。

僕は旅に出る。
いつか君の眩しさを受け止められるような人間になれたら、その時ここに戻ってくるよ。
だから……虫のいい話だけど、よかったら、待っていて欲しい。

そうそう、君から貰った鞋、凄く履き心地がいいんだ。
本当に、ありがとう。

それじゃあ最後に一言だけ、




*(‘‘)*「大好きだよ、ヒート」

ノパー゚)「私も、ショボのこと大好きだ」

283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:33:31.90 ID:2wVWqCs8O
支援

284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:35:54.46 ID:2tJfGk/j0
しえん

285 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:37:48.41 ID:aqpdFX5TO
*(‘‘)*「ねえ、ヒート」

ノパ听)「何だ?」

*(‘‘)*「何か願いごとはありませんか?
      もしも一つだけどんな願いでも叶うとしたら、あなたは……」

ノハ--)「願いごと、ねぇ」

目を閉じ、考え込むヒート。
ややあって彼女は、笑顔を浮かべながら口を開いた。

ノパー゚)「あったぞ、私の願いごと」

*(‘‘)*「お聞きしてもいいですか?」

ノパ听)「ああ、私の願いは―――」

286 : ◆Cs058I7w36 :2007/12/03(月) 00:39:30.11 ID:aqpdFX5TO
寂れた街道を、一人の男が歩いている。


時折吹き付ける北風に身を縮めながらも、ゆっくり前へ前へと。


びゅううっ


不意に暖かな追い風が、男の背中に吹き付けた。


それを受けた男は、空を見上げてこう一言。



「聞こえたよ、君の声」



彼が履いている鞋は、やけに真新しかった。



〜FIN〜

287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:40:04.73 ID:2tJfGk/j0
おつでした
ttp://boonpict.run.buttobi.net/cgi-bin/up/src/boonpic_1300.jpg

288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:41:14.06 ID:JIqonpjQO
乙!
よかったよ

289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:43:09.50 ID:2wVWqCs8O
おつ

290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:43:41.99 ID:mg1vkzAT0
乙です

291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:44:48.45 ID:dMhbKE9U0
乙でした!

292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:45:12.94 ID:aqpdFX5TO
>>287
ありがとうございます、凄く嬉しいです!

293 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 01:11:18.41 ID:OXVB4iNR0
今北
乙ー

294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 01:13:43.14 ID:yXbepUX5O
乙!

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