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( ^ω^)ブーンと心母少女のようです。

1 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/24(月) 23:35:20.13 ID:dkjtdKi50
まとめさん
http://applevip.web.fc2.com/

今日は4を投下しますが、
時間がなく、推敲しながらになるんで、すこしローテンポかもしれない

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:09:31.27 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:09:32.57 ID:yXCLMLYxO
支援

31 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:09:37.84 ID:AMbErvC70
( ^ω^)「だから僕達は感謝しないといけないんだお。社長なんて、そんなもんなんだお」

これがいつもの口癖で、常に内藤は娘たちにそう言い聞かせていた。
自分達が暮らしていけるのは、社員さんが頑張ってくれているからだと。
一歩間違えれば嫌味にとられそうだが、そうさせないのは内藤の人格によるものだろう。

注文した品が来るまでの間、一頻りの談笑をした。

(;^ω^)「あのスカートなんでむちゃくちゃ高いんだお」

ζ(゚ー゚;ζ「なんか有名なブランドだったみたいだね……」

(;^ω^)「四万もするなんて……さっきのカンペールの倍じゃないかお」

ζ(^ー^*ζ「ありがとうございます♪」

そうして二人は笑いあった。久しぶりの親子水入らずの団欒で、デレは満足な気分になった。
最近は内藤も忙しく、ペニサスも冷たいとあって、家族からの疎外感を気にしていたのである。
ややおさまった頃に、内藤はそれとなく、一番気にしていたことを尋ねた。

( ^ω^)「ペニサスとは……どうだお?」

ζ(゚ー゚*ζ「、、う〜ん……まぁ、なんていうか」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:10:10.92 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:10:20.85 ID:EwI8DxERO
支援


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:10:29.92 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

35 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:10:41.57 ID:AMbErvC70
デレは言葉を濁した。
父親に、どう言えばいいのだろうか。
理由の分からない拒絶を受けている自分が、その現象を説明するのは気が引ける。

円卓のホワイトクロスに目を落としながら、ぽつぽつと、

ζ(゚ー゚*ζ「なんだろう……年頃なのかな……ちょっとペニサスからは……」

( ^ω^)「そうかお……」

内藤は言葉を引き取るようにして、

( ^ω^)「僕にもちょっと冷たいんだお。ペニサス……"年頃"、って奴かお?」

ζ(゚ー゚*ζ「う、うーん、もう中学生だしね……」

( ^ω^)「ほんと早いお。……女の子の年頃かお……難しいお」

内藤は腕を組んで考え込んだ。
内藤宅は、家政婦を雇ってはいるものの、やはり私生活の面では男手一つということになる。
そのため放任的な子育てになりかけていたのだが、これはいけないのかもしれない、と内藤はしきりに思い巡らせた。

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:10:48.00 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:11:12.51 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:11:31.12 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:11:31.88 ID:EwI8DxERO
>>31
ありがと

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:11:48.79 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

41 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:12:10.76 ID:AMbErvC70
そうしているうちに、昼食のスパゲッティが運ばれた。
デレはカルボナーラを、内藤はアル・ブーノであった。

冷めやんでいない湯気立った麺を、二人はおずおずと口に運んでいく。
啜りがタブーということは承知だが、うまいこと麺をフォークに絡ませることには慣れていない。
加えて照明も暗いため、二人は四苦八苦する羽目となり、まったく会話を忘れてしまった。……

・・ ・・・

内藤家はポストモダン建築の三階建てで、住宅街でも異質の建物だった。
燃えるようなレンガ色の外装で、遠目から見ると四角錘の印象を若干受けるデザインであり、
近所からは豪邸だの遺跡だのと囁かれていて、軽い畏怖の対象でもあった。


買い物と食事を終えた二人は、真っ直ぐに帰宅した。
雨が降りしきり、車内に居るにも関わらず、デレの髪の毛はうねり、困らせた。
家に着き、買ったものを持ち歩きながら、デレは恨めしそうに嘆いた。

ζ(゚ー゚;ζ「あぁ〜もぅ……梅雨とか最悪……」

( ^ω^)「もう家についたから大丈夫だお!」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:12:22.66 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:12:37.07 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:12:55.58 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

45 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:13:50.03 ID:AMbErvC70
・・ ・・・

ζ(゚ー゚*ζ「ぅーん……」

デレは鏡の中の自分を凝視しながら小首を傾げた。
しっかりと髪の毛はシャワーを浴びたので大丈夫だが、問題は買ったばかりの服だった。
どれを着てもシックリ来ない。
試着ではあれだけ輝いていたスカート達が、瞬時に価値を落としてしまったのか。
それとも……。

光加減が原因かもしれない。薄暗いデレの部屋では、輝くものも輝けないだろう。
だが、たとい電球を灯しても、着こなしの感覚が良くなるとも思えない――
ルックス関係の希望など、とうに失くしてしまっていた。

ζ(゚ー゚*ζ「………」

唐突に、鏡の中の自分が滑稽に見えた。
すこし情けない風にしている表情が、置いてけぼりを受けた子供のようで……。

――こんなことなら、買わないほうがよかったかも……。

ああ、ダメだ、ダメだ、ダメ。
また暗くなっちゃ…………。

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:14:05.51 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:14:18.54 ID:EwI8DxERO
支援

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:14:24.61 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:14:41.07 ID:M9sx1aQwO
綺麗可愛いよ綺麗

50 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:15:44.17 ID:AMbErvC70
いつも、こうだ。デレは自分を戒めた。
いつも、こうやって鬱にハマっていってしまう。

どうしてこればっかりは耐性を養えないのだろう。
淡い期待を失くしたはずなのに、、、……いや、もしかしたらまだ失くしていないのかもしれない。
でなければ、こんな可愛い服を買うこともないだろう。

デレはそう思うと、自分自身の中のジレンマを不甲斐なく感じた。
これから人と会う約束があるというのに、ダメだ、ダメだ、ダメ。
もう忘れよう。
お父さんには悪いけど、しばらく着ないで、熱を冷ましておこう。

と、思い立ったあたりで、チャイムのベル音が家中に響き渡った。
来たか。
浮き足立つと同時に、直前までのネガティヴな感情が辱めに変貌した。
手早く別のスカートに穿き替えた。


「デレー! お友達が来たお―――!!」と、一階から内藤の叫ぶ声が聞こえる。

51 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:19:22.92 ID:AMbErvC70
ζ(゚ー゚*ζ「はーい!」

叫び返してから、最後に鏡でチェックをして、階段を下りる。
相変わらず納得のいかない出で立ちだったが、形振り構っていられない。

( ^ω^)「雨なんだから待たせちゃだめだお」

ζ(゚ー゚*ζ「わかってるって!」

小走りで玄関に向かい、扉を開ける。
一面に灰色の景色が広がり、雨水の匂いやその残響音とが感覚を支配した。

目の前の黒門の向こうに、来訪者の彼女が居るのだろう、開いた水色の傘の上部分が目に留まった。
デレは立掛けてあった傘を素早く開いて外に出た。
視界が僅かに薄翳り、雨粒の音も一段と大きくなる。
ブーツの靴底はすでに濡れきってしまい、石畳の上であやうく滑りそうになった。

濡れた門の錠を開け、待たせた友達と対面する。
首元までホックを締めたレインコートを着ており、長い黒髪が肩に掛かっている。
はじめは水色の傘で顔は見えなかったが、すぐに傘をわずかに傾かせ、微笑んだ。


川 ゚ー゚)「誕生日おめでとう。だのに君は変わらずそそっかしいね」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:19:23.31 ID:M9sx1aQwO
よく考えるとあんまり可愛くない

53 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:21:55.21 ID:AMbErvC70
目元を弛ませたその笑顔には、屈託がまったく感じられない……デレはその純粋な瞳に
気圧されそうになりつつも、笑顔でかえしながら、

ζ(^ー^*ζ「ありがと!」

川 ゚ー゚)「ま、そそっかしいのはいつものことか」

ζ(゚ー゚;ζ「そんなことないよ! クーちゃんが冷静すぎるだけだよ!」……

のちに「クー・ルー」と呼ばれ、世界でも比類なき評価を受ける霊媒師となるであろう
この美少女は、のちに行方不明者として捜索されるデレ嬢と微笑み合っていた。……

ζ(゚ー゚*ζ「それで、どこ連れてってくれるの?」

川 ゚ー゚)「まぁ、何も言わずに付いてきておくれ。私の嗜好なんかは参考になるかもな」

そう言い、談笑しながら二人の少女は梅雨の最中の路地を歩いて行った。
クーと歩くだけで、デレは自分のクセ毛のことを忘れられた。

・・ ・・・

    

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:23:41.89 ID:EwI8DxERO
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55 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:23:55.41 ID:AMbErvC70
仄暗い空は、傾れ打つ雨粒の所為で、さらに視界が悪い。
周りに車や人影が見えなくとも、やはり、どうしても身を寄せ合うようにして進行する。
傘の端と端とがぶつかりあいそうになりつつも、雨音に負けない声で、二人の少女は話し合った。

内容は、クーの向かう先の推理についてだった。

ζ(゚ー゚*ζ「クーちゃんはゲーセンとか嫌いだから、それはないと思うんだよね」

川 ゚ー゚)「ほほう。ほほう」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、まさか神社とか教会ってわけでもなさそうだし……」

川 ゚ー゚)「ふんふん」

ζ(゚ー゚*ζ「え、どうなの? 正解だったり?」

川 ゚ー゚)「いや。違う。まだまだ推理し続けてくれ」

ζ(゚ー゚*ζ「ぇ〜、なんだろ、なんだろ」

川 ゚ー゚)「もっと私の思考を探ってくれよ」

56 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:25:41.19 ID:AMbErvC70
ζ(゚ー゚*ζ「うーん。あ! じゃあ、この向かってる方向ってのはスゴいヒントだよね!?」

川 ゚ー゚)「そりゃまぁ、そうだろう」

ζ(゚ー゚*ζ「ぇー、なんだろ……なんだろなんだろ」

そう言ってデレは推理に潜心した。

少女達が向かっている先は、都市開発から逃れた自然の集まる地域で、
特に、そこを形成している森林には未だ稀少な生物が棲んでいるとも伝えられているだけでなく、
崖の切り立った向こう側には絶景の海景色が覗けるため、世間から関心を寄せられつつある。

およそ若者が好き好んで行く場所ではなかったが、逆にそれが絶好にヒントにもなり得た。

ζ(゚ー゚*ζ「うーん、展望台?」

川 ゚ー゚)「あそこはいい読書スポットだな。滅多に行かないし、今日も行かないけど」

ζ(゚ー゚*ζ「えーっと、じゃあ、じゃあ……」

川 ゚ー゚)「自分で出題しといてなんだけど、多分デレは当てられないよ」

ζ(゚ー゚;ζ「ええ!?」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:26:44.99 ID:yXCLMLYxO
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58 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:27:04.41 ID:AMbErvC70
「学校の連中」という言葉に、クーは侮蔑の響きを効かせていた。
デレはその理由をすぐに想起したが、この場には相応しくないだろうとすぐに振り払って、

ζ(゚ー゚*ζ「……うーん、、、」

川 ゚ー゚)「結構歩くよ。だいたいあと二十分は掛かるな、ちょっと厳しいかもね」

会話はそこで一旦打ち止めとなり、暫しの沈黙が生まれた。
ウォーキングは得意な方だが、二十分も雨の中を歩き続けられるかは疑問で、
デレはこれからについて、わずかに心配を泳がせた。
だが、クーはそしらぬ表情をしているので、とっさに不安を打ち消す。

沈黙は長続きしなかった。
相変わらず雨の打つ音がしてい、黙ったままでいると気落ちしてしまいそうだった。

ζ(゚ー゚*ζ「そういやクーちゃんの誕生日はいつだっけ?」

川 ゚ -゚)「……えーっと、いつだったかな……」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ! 自分の誕生日は覚えてようよ〜」

川 ゚ー゚)「忘れちゃったよ。たしか誕生石がトパーズだったんだがね」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:27:50.36 ID:EwI8DxERO
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60 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:28:29.32 ID:AMbErvC70
・・ ・・・

二人の少女は、国道の路肩の上を歩く。
雨は激しく、水溜りが所狭しと発生していたが、車はほとんど通らないので
泥はねの心配はする必要がない。

カーブが激しくなり、脇にスクリーンのような山々が現れてきた。
仄かにまつわる雨の匂いに紛れ、潮の気配が見え隠れしだす。

そうして曲がり、断崖の上に立った。
飛沫の姿が容易に想像できるほどの激しい波音が、崖下から残響している。
ガードレールは高く頑丈で、そう簡単に崖から転落しないようにと聳えている。

雨が弱まった。鉛色の雲は、白銀色に変化しつつある。
天から振りしきる水よりも、むしろ足元に向かう流水に注意しなくてはならない。

クーは足を止めた。デレもつられて停止すると、周りを見回しながら、

ζ(゚ー゚*ζ「ここ?」

川 ゚ -゚)「ん……まぁ殆どな」

61 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:30:32.52 ID:AMbErvC70
意味深な発言をし、クーは再び歩き始めた。
そうしてすぐに立ち止まると、デレに手招きする。
クーの居る所のすぐ近くは、レーンとレーンの切れ目であり、大人一人ほどの隙間がある。
デレはおずおずと近寄ると、怪訝そうに尋ねた。

ζ(゚ー゚*ζ「もしかして……」

川 ゚ -゚)「うむ。おそらく君のイメージ通りだ」

言い終わらぬうちに、クーは身軽に切れ目の向こう側に入り込んだ。
その先は小さな草原で、一応更に奥にも鉄柵は備えられているが、どうやらそれが最後の砦らしい。
デレも慌てて入ったが、唐突に不安が押し寄せてくる。

ζ(゚ー゚;ζ「大丈夫なの? 大丈夫なの?」

川 ゚ -゚)「雨で滑りやすくなってるから、相当危険だな」

ζ(゚ー゚;ζ「ええっ!?」

川 ゚ー゚)「冗談だ。ほとんど安全だよ、私なら」

62 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:32:02.38 ID:AMbErvC70
草原を歩き進めると、最後の砦付近に階段めいたものを発見した。
コンクリートで作られたものらしく、下へ続いている。
さすがにここを下りるのは危険なため、手を繋ぎ合って渡った。

下りた先は、出窓のような小さな崖だった。
そこにもシッカリと柵が作られているが、柵越しから海の勇ましさを垣間見れた。

ζ(゚ー゚*ζ「すごい……」

デレは思わず息を呑んだ。
荒波と積乱雲が絶え間なく動いているが、不思議な優雅さを感じさせる海の姿であった。
目の前の風景は、非現実感が大きすぎる。

川 ゚ー゚)「穴場だろう? 人に教えたのは君が始めてだ」


雨が完全に止んだ。傘を閉じてから、もういちど海に目を向ける。
熱気を孕んだ雲に段々切れ目切れ目が割れはじめ、ヒビのようになっていった。
斜陽がその先から押し広げられ、波の姿をさらに引き立たせた。

一枚絵のような光景に、少女たちは時間を忘れて見惚れてしまった。……

63 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:33:28.70 ID:AMbErvC70
雲の割れ目が更に広がり、ついには分裂を開始した。
黄金色の陽光はまとまっていき、薄蒼い海の流水を照りつけるだけでなく、少女たちから翳りを消す。
岩礁にぶつかり白く泡立った海水の上で、金いろのリングが数え切れないほど発生していた。
海鳴りの響きが高まると、遠くでカモメがダンスを開始しているのに気付く。
蒸し暑い空気だったが、時折吹き降ろされる冷風が不快感を雲散させた。

ふと、デレは自分が花だったならと想像した。
この小さな崖に咲く、小振りの優しい薔薇……潮風や白南風にそよぎ、雨に打たれ褪めきながらもこの絶景を見守り続ける。
色彩と香気を発し、出来ることならクーと共に、二輪の薔薇となり、そして……。

そこまで考えてデレは自分を恥ずかしく思った。
ルックスのコンプレックスが、こんな形で現れたのか。
それともあまりにも美しい光景の前で、ドラマの女性のように、自分を捧げてみたくなったのか……。
クーへの感謝か――。どれが原因なのか判然しなかったが、おそらく全てが入り交じったのではと推測した。

川 ゚ -゚)「すこし、いいか?」

惚けていたデレに、クーは近寄った。
「えっ」と声を出す間もなく、クーはデレの首元に何かを取り付けた。
真珠のチョーカーだった。
金色の光を受けて、艶かしく光を反射している。

ζ(゚ー゚*ζ「これは……」

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:33:56.74 ID:EwI8DxERO
支援

65 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:35:41.85 ID:AMbErvC70
川 ゚ー゚)「誕生日プレゼントだ。真珠は六月の誕生石で、宝石言葉は……」

ζ(゚ー゚;ζ「ちょっ……これってスゴく高いんじゃないの!?」

言下にデレが鋭く質問した。
クーは「ああ、」と軽く頷いてから、

川 ゚ -゚)「だが、私自身の懐を痛めて手に入れたものじゃないんだ。気を重くしないでくれ」

ζ(゚ー゚*ζ「……あ、そうなんだ、ありがと! とっても嬉しい!」

クーの言葉に引っ掛かりを覚えたが、デレは喜びを前面に表した。
すると、クーはレインコートのホックを上から順々に外していった。
首元に輝く鎖が見え、胸元にはブランデーに似た、淡い光を保つトパーズが煌めいていた。

ζ(゚ー゚*ζ「お揃いだね」

川 ゚ー゚)「しかも誕生石同士のな」

そういうとクーは、口元をほころばせた、彼女独特の笑顔を見せ、カモメの乱舞の方を見た。
斜陽が照り、クーの高い鼻梁や引っ込んだ目元が、ヴィーナスめいた影の凹凸を作り上げ、デレをハッとさせた。
なんて美しいんだろう。クーの横顔にデレは心から感嘆した。

66 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:39:05.60 ID:AMbErvC70
慌ててデレも視線をカモメの方へ向く。
いまや鳥達は影絵となって右往左往に飛翔し、二人の少女を飽きさせない。

デレは心臓が高鳴るのを感じていた。
全身がやや汗ばんで、風が吹くたびに寒気が走る。

表情は太陽に照らされて赤らんでいるように見えるが、顔が赤いのは太陽のせいだけではない。

太陽じかけのオレンジに染められる空を見続けながら、デレは考えた。

私の心の内で、込み上げてくるこの鮮やかな感情は、性欲なのかしらん。と。


そう考えると、この夕焼けが、朝焼けに変化したような気さえする。


少女の朝が、幕を開けたように思われた。……

                             (少女の朝 終)

67 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:41:23.77 ID:AMbErvC70
以上で今日の投下終了です
蒙古ヒダはもう少し待ってくれ

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:43:08.35 ID:EwI8DxERO


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:45:43.50 ID:JGQuoh+V0


70 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:46:32.89 ID:AMbErvC70
http://imepita.jp/20080325/025140
つまりだな、目頭にあるこんな感じの線

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:50:26.67 ID:JGQuoh+V0
>>70
ワロタ
急いで撮ったのか

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:51:22.03 ID:EwI8DxERO
>>70
わざわざありがとう!
女?

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 00:55:24.36 ID:G2EX2YWKO
>>70
へぇ、そういうのにもれっきとした名称があるんだな。

乙。

74 : ◆tOPTGOuTpU :2008/03/25(火) 00:56:19.04 ID:AMbErvC70
まあ蒙古ヒダスレ用に撮ったからちょうどいいやって感じ。
女? なにそれ喰えんの? 乙でした。

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 01:10:41.22 ID:qqm4/2oaO


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 01:17:03.06 ID:AMbErvC70
コッソリと。
つぎの投下は四月のはじめくらいかな
ちょっと立て込んでるんで。五話は短いから楽勝だけど

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 01:53:11.46 ID:/2rURVGxO


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/25(火) 02:18:58.18 ID:8kpdBbkZ0
>>74
( ^ω^)女おいしいお

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