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( ^ω^)ブーンは、春がくるたび戸惑うようです

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:26:05.47 ID:FN6ZWU3R0
初恋は、実らぬもの。


悔しいけれどその例にもれず、僕の初恋も失恋に終わった。

と言っても。ふられたとか、はっきりどうこうなった訳ではなく、
何だろう……うーん、自然消滅? になるのだろうか。


まだ、僕がこーんなに小さい頃のこと。


僕には、幼馴染になる"はず"だった女の子が居た。



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:26:54.61 ID:FN6ZWU3R0
「ま、まってお!」

「はやくきなさいブーン!」


その子はいつも強気で、目がつりあがってて、活発で元気な子だった。
反面、僕はその……控えめというか、身体が弱く、彼女についていけなかった。


「あいた!」


「あら?」


「うう……いたいよ…」


ξ# )ξ「あーもう、ちょっところんだくらいでなかないでよ!」


名前は……ツン、と呼んでいたことだけは覚えている。

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:27:30.02 ID:FN6ZWU3R0
なめらかで、ボリュームのある金色の髪と、くるくる回ったツインテールがチャームポイント。
僕はそんなツンが大好きだった、なぜかよく怒っていたけど、それでも大好きだった。
どんなに酷い事をしても、泣いてる僕を絶対に放っておいたりはしなかったから。


「だって……ひっく……」


「しょうがないわね、ほら……いたいのいたいのー…」




「ぶつりてきにとんでいけ!!」

「ぎゃーーーー!!!」



「どう? あしとあたま、どっちがいたい?」

「すごく……あたま、です……」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:27:59.30 ID:FU7FRFy8O
支援

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:29:30.44 ID:FN6ZWU3R0
……そんなツンの世話の甲斐あってか、僕は今ではずっと逞しくなりました、合掌。


うん、まあそれはともかくとして、ツンと僕は当然のように一緒に居たんだ。
家も隣だったし、園でも隣に居た、家に居たって隣に居た。
黄ばんだアルバムも、どれほど同じ時間を過ごしてきたかを教えている。

木漏れ日に、桜舞う公園のブランコを漕いでいた。

日差しを反射するゴムプール、水しぶきがキラキラしていた。

紅葉が萌える草原で、枯れ木にとまった赤とんぼに指をさしている。

銀世界の中でも、あったかそうな服を着て、傘をさして寄り添っていた。



いつもいつも一緒だった、ずっとずっと一緒だと思っていた。

けれど、そんな信じて疑わなかった日々は。


"お引越し"の言葉の意味を知ると同時に、もろくはかなく、崩れ去ったとさ。

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:31:31.59 ID:FN6ZWU3R0
「いやだ、いやだお!!」



季節は春。


桜がピンクに染まって、ざざざ、と揺れる。

おあつらえ向きの別れの日だった。


はっきりと、全てを覚えているわけじゃない。
ただ、漠然と自分がどういう行動をしたか、だけは覚えている。


そんな子供の頃のお別れは、なかなか鮮明で、そして辛いものだった。
もしかしたら、本当は子供なりに、わかっていたのかもしれない。

これは一生のお別れになるのだと。

大人と違って、子供は連絡したり、会いに行ったりなんて出来ないから。
わかっていたのかもしれない、だから僕はあんなに必死だったんだろうなぁ。

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:33:27.22 ID:FN6ZWU3R0
どう必死だったかと言うと、思い出すとちょっと恥ずかしいのだが、
要はほら、あれだ、伝えられなかった想いをこう、ね。


「ほんとに、もうあえないのかお……?」

ξ )ξ「……そうよ、ずっととおくにいくんだから」


「どうしても行っちゃうのかお、どうしてだお」

「ごめんね、ブーンちゃん…」


「……ツンちゃん」

ξ )ξ「……なによ」


「ぼくはツンちゃんがすきだお、だいすきだお!!」

ξ )ξ「……え」


それで、とにかく同じことを言いまくってた気がする。
そしたらツンちゃんが、もう会えないもん、みたいな事を言った気がする。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:35:38.33 ID:FN6ZWU3R0
そして。


ξ;凵G)ξ「ブーン、ラブユーフォーエヴァー!!」


って、言ったかどうかは知らないけど。
とにかく、両思いになったような気がする。


いやごめん、やっぱうそ、正直このへんよく覚えてない。
何せ子供のころの思い出だ、美化脚色されていてもおかしくない。

うん、まあ、とにかく、二人で泣きながらバイバイしたんだよ。


それで確か……その時に、何かを約束したと思う。

多分、もう泣かない、とかそんなの。


だけど、その翌日。



変わらぬ景色が教えてくれたのは、一つだけここに足りない物。


いつもの場所、と決めていた公園で、僕はいつまでも泣いていた。

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:38:16.78 ID:FN6ZWU3R0
それからも、季節が巡って近づくたびに、いくつも別れがあった。
花は桜、嫌いじゃないけど、あんまり綺麗で泣きたくなる。


あの頃に戻りたい、と願っているかもわからぬまま、
何時までも開かないつぼみのように、春に迷う。


僕の心は。



     春がくるたび戸惑うようです。






     @「新生活、はじめました」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:40:50.93 ID:tqqfCiM7O
これは良作のよかん

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:41:23.05 ID:FN6ZWU3R0
≪間もなく、VIP、VIP、お忘れ物に注意ください、お出口右側、です≫


( ^ω^)「…お?」


物思いにふける僕を、アナウンスが呼び戻した。
人もまばらな電車内では、目的地到着を告げる声につられて、人が立ち上がる。

僕も同じように、大きなショルダーバックをひっかけ立ち上がった。
腰と尻がしびれていて、まるでアナルを掘られたような違和感が。

……嫌なもん想像しちゃった。

窓の外は、まだ早朝なので薄暗い。
けどそれ以前に、中の暖かさのせいで曇っている。

駅に到着すると、人がぞろぞろ歩き出して、僕もおろおろ電車を降りた。
ホームの階段を下ると、あまりに広くて困惑しながら、人の波に乗って出口へ向かう。

あ、外だ。

なんて思っていると、冷たい風が入り込んできて、身を縮める。


(;^ω^)「うは……まだ全然寒いじゃないかお」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:42:49.75 ID:FN6ZWU3R0
季節はもう春になるのだが、どうにも寒い、寒すぎる。
これが、地球温暖化によるものなのだろうか。

( ^ω^)「さて、とりあえず行くとするかお」

駅を出ると、立ち並ぶビル群。
僕は歩きながら、とりあえず見上げてみた。


(;^ω^)「うーん、やっぱ凄いなぁ……都会って感じだお」

僕が今まで住んでいた場所も、別に田舎というわけではないが、
高層の建物は存在しなかったから、物珍しい。


( ^ω^)「えーと……地図では、あ、あの看板かお」

本当は、着いたら連絡するようにと言われているのだが。
せっかく来たんだし、少し自分で歩いてみたいので、歩くのだ。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:45:34.45 ID:FN6ZWU3R0
どこへ行くのかって?

それは、僕がこれから居候させてもらう、流石さんの家。
家を失くし、遠くの学校に通うことになった僕は、たった一人でやってきたのだ。


分かり辛いかな……うーん、こういう説明するのって苦手なんだよね。

えーと、つまりね、産業でいうと。


・事情があって家を失くした僕、遠い親戚の家に居候することに。

・学校……もうずっと行ってないんだけど…。

・じゃあ近所に学校あるから、中途入学しなさーい。


というわけ。

というわけで、僕は駅のまえに広がる街並みを歩いているのだ。

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:46:12.87 ID:3X3ifFXuO
支援

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:47:16.39 ID:FN6ZWU3R0
(;^ω^)「おお……すごいお、店がどこも閉まってない」

僕の故郷では、こういう繁華街の店は閉まってるのだらけだった。
とても新鮮です、凄いです、感動です。

こんな場所を一人歩く僕って、もう都会っ子でしょうか。
そんな事を考えていると、ついつい顔がにやけてしまう。


( ^ω^)(これから、お洒落な友達ができて…一緒にここを歩いたりするのかなぁ)


想像するのは、なんだかおっしゃれーな服を着て、
すてきな友達と、煌びやかな道を歩く姿。


(* ω )(それでそれで、こう、喫茶店とかも入っちゃったりして……)

(*^ω^)「……うはー、いいなぁ」

よおおし、この都会で、素敵な友達をつくるぞおおおお!!
とか、なんとか妄想しながら歩いていると……。


( ^ω^)「ところで、ここは何処だ」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:50:14.08 ID:FN6ZWU3R0
なんだか、閉まっている店がちらほら現れてきた。
一言で言うなら、さびれている。

どうにも見慣れた感があるが、それどころじゃない。
迷ってしまった、いやまあ、本当は来た道を戻ればいいんだけど。


( ^ω^)「線路があそこだから、こっちかな」


という、都会にはいくつも路線がある事を、まるで考えずに判断をした結果。
それから3時間にわたって歩き回る羽目になっちゃった。


(;^ω^)「疲れたよパトラッシュ……もう電話してもいいよね」


( ^ω^)「あ、携帯の電池切れてる……」


しょうがないので、充電器を買いにコンビニへ行く。
都会のコンビ二はなんと、地下にあるのだ、とんでもないな。

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:52:50.88 ID:FN6ZWU3R0
( ^ω^)(うーん、都会のコンビニは、もう百貨店くらい広いかと思ったけど
       逆にやたら狭いんだなぁ、僕んちの近くの半分もないお)


(*゚ー゚)「ありがとうございましたー」


(;^ω^)(でも、さすが都会……すごいお洒落な子が店員してるお…)


僕の近所のコンビニでは、じっちゃんばっちゃんが経営していて、
そのせいか、年配の方の集合所と化している場所すらあるのだ。


( ^ω^)(……僕も、ああなりたいお)


( ^ω^)「電池ふっかーつ」


すると、携帯がメールの受信を始めた。

僕はギョッ、とした。
受信中の数字には、4/22と書かれていたからだ。

(li^ω^)(……まさか、高岡か…?)

そして随分待たされて、ようやく受信完了。
必要な二つのメール以外、中身は確認せずにすべて消した。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:54:21.06 ID:FN6ZWU3R0
(;^ω^)「うーん、心配されちゃってるお、はやく電話しなきゃ」


さっさと履歴から電話をかける。
呼び出し音、ならぬ呼び出し曲が流れるなり、すぐに誰かの声がした。


≪内藤か? やれやれ、やっと電話に出たな≫

(;^ω^)「すみませんお、ちょっと迷ったり電池切れたりしてて……」


≪まったく、何かあったのかと思ったぞ……それで、今どこにいるんだ?≫

( ^ω^)「駅のそばのエターナルフォースコンビニですお」


≪おk、実はもう近くに居るから、すぐに行くから待ってな≫

( ^ω^)「わかりましたお、お願いしますお」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:55:42.18 ID:99DZErw20
支援

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:56:31.88 ID:FN6ZWU3R0
( ^ω^)「ふぅ……ん?」

ちなみに僕は、道端で一人、電話を片手にぺこぺこお辞儀をしまくっていた。
ふと見れば、さっきのコンビニのお姉さんがこっちを見ていた。


(*゚ー゚)クス

……恥ずかしい。


しばらくすると、黒い車がぼくの前に停車した。
車種はBB、車に興味ないから、どうでもいいけど。


( ^ω^)「弟者さん、こんにちわですお!」

(´<_` )「ああ、よく来たね内藤君」

僕がこれからお世話になる家の、流石弟者さんだ。

促されるままに車のドアを開けば、綺麗に片付いた車内はいいにおいがする。
ふと、弟者さんを見る。ジーンズに、紺のカーディガンからは白いシャツが覗いていた。

普通だ、普通の服装なのに、なんだか品を感じる。
僕はおもわず恐れおののいた。

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 22:58:29.60 ID:FN6ZWU3R0
(;^ω^)(都会オーラおそるべし)

(´<_`;)「ほら突っ立ってないで、早く乗りな」

(;^ω^)「は、はい! 失礼しますお!」


(;^ω^)(あ、どうしよう、靴はたいた方がよかったかな…)


(´<_`;)「荷物じゃまだろ? うしろ置けば?」

(;^ω^)「い、いいんですか?」

(´<_` )「何が駄目なのかわからないが、構わないよ」

(;^ω^)「で、では失礼して…」

( ゚ω゚)「そおい!!」

大きな荷物をむりやり後ろへ追いやる。
その途中、弟者さんにぶつけてしまった。
必死に謝ったら、なんだか笑って許してくれた、ええ人や、ええ人やで……。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:00:37.53 ID:FN6ZWU3R0
やがて、ウィンカーをかちんかちん言わせて発車した。
どうも落ち着かなくて、ついその辺をキョロキョロ見てしまう。

( ^ω^)(あ、あのアクセサリーかっこいいなぁ……)

(´<_` )「学校は明日から?」

( ^ω^)「そうですお」

(;^ω^)(高そうだなぁ……高いんだろうなぁ…)

(´<_` )「じゃあ、ちょっと場所だけでも見に行こうか?」

( ^ω^)「あ、ぜひお願いしますお」

(´<_` )「りょーかい」


弟者さんは、僕と4つくらいしか変わらない……はずなのだが、

……桁違いに差を感じるのは、何故なんだろう。


そして、聞いたことのない曲が流れる車内から、ふと横を見た。
景色はどんどん移り変わり、繁華街を抜け、住宅街へと進み、更に行く。

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:02:41.82 ID:FN6ZWU3R0
(´<_` )「ほら見えた、あれだよ」

(;^ω^)「ど、どれ?」

(´<_` )「あの凱旋門みたいなやつ」

( ^ω^)「わかりましたお」


ゆるやかな振動、明るい曲に混ざる駆動音。
僕は遠くに見える建物を、食い入るように見つめていた。

(´<_` )「どう、これからあそこに通うわけだけど、感想は?」

(;^ω^)「うーん……あまり実感わきませんお」

それから、学校の近くと聞いていただけあって、
すぐに流石さん宅へと到着した。


まず驚いたのは、車が4台は置けそうな大きな車庫。
シャッターが自動で開いて、弟者さんは慣れた様子で狭い中へ駐車した。

(;^ω^)(それにしてもでかい家だお……)

なんだか、入り口から玄関までに入り組んだ道があって、まるで要塞のようだ。
けど、プランターに花があったり、ちょっぴりファンシーな飾りがあったり、家庭的だ。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:05:32.75 ID:FN6ZWU3R0
(´<_` )「行こう、ラオウの元へ……」

僕は壁面につけられた、おびただしい拳の跡を見つけて、
ドキドキしながら弟者さんの後を追い、玄関まで歩いた。

そうして要塞を抜け、たどりついた玄関口。
すると、ガチャッ、と扉は開かれて。


 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「待っていたぞ、ホライゾン」 

現れたのは、腕を組んだラオウの如き母者さん。
なんだか凄い迫力だなぁ、目が光って見えたのは気のせいか。
何にせよ、僕はバトルボーナスをゲットしたようです。

( ^ω^)「こんにちわですお、相変わらずたくましそうで安心しました」

(´<_`;)(うーん…相変わらずぜんぜん怯まないんだなぁ)

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「ほう、やはり耐えたか」 

(;^ω^)「え?」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:06:50.61 ID:xgXJR8gs0
wktk

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:07:17.39 ID:FN6ZWU3R0
(´<_`;)(たいがい気当たりして倒れるのに、鈍いのか、強いのか…)

( ^ω^)「えと、これから、どうぞよろくお願いしますお」


 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「あーはいはい、いいからとっとと入んな、もう疲れたろう」 


(;^ω^)「あ、はいですお」


そして、中に連れられ、僕の部屋へと案内されてほいほい着いていく。
靴を脱いだらちゃんと揃えて、つやつやしたフローリングの廊下をわたり、
階段をのぼって、また廊下、ながい、でかい、凄いなぁ……。

僕はなかば呆けながら、前を行く母者さんの後を追う。


(;^ω^)(さて、どうなるか……)


僕はあくまで居候の身、やはり、ほこりまみれの屋根裏部屋だろうか。
それでなくても、どんな部屋でも、受け入れよう、それがしがない居候魂だから。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:09:15.90 ID:FN6ZWU3R0
そもそも、しばらく野宿していた身としては、屋根さえあれば…くくく。
とか思っていたのだが、いざ辿り着いてみれば……。


(´<_` )「着いたよ」

(;^ω^)「え、あれ…屋根裏部屋は…?」

(´<_`;)「は、屋根裏?」

(;^ω^)「え、だってこんな広い、え?」


あまりの事に、思わずきょどってしまった。

白い壁とふわふわ絨毯の敷かれた床。
ベランダを隔てる大きな窓、綺麗なカーテン。
ベッドには布団がもう敷いてあって、おっきなテレビまである。

まるで高級ホテルみたいだ、こりゃ凄い。
ていうか、これ、僕の部屋?

(;^ω^)「こ、こんな凄い部屋に……」

(´<_` )「これからずっと暮らすんだから、不自由させちゃ悪いと思ってね」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:11:37.79 ID:FN6ZWU3R0
(;^ω^)「そ、そんなそんな…」

(´<_` )「あれ、気に入らない?」

(*^ω^)「すっごく嬉しいですお!」

(´<_` )「そりゃよかった」

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「送られてきた荷物も、もう全部運んでおいたからね」 


(*;ω;)「いやもう、何から何まで、本当にありがとうございますお」

あまりの人の暖かさに涙がちょちょぎれる。
都会の人間は、心が冷たいと聞いていたけど、ありゃ嘘だ。

(;^ω^)(ん、ってこれ、全部一人で……?)

(;^ω^)(…まさか、ね…)


それから、僕はとりあえず荷物の整理と確認をはじめた。
二人は、用があったらインターホンで呼ぶように、と残してどっかに行った。
しかし部屋にインターホンとか、それにしても凄まじい家だな。

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:13:42.17 ID:FN6ZWU3R0
( ^ω^)「えーと、これは使うからこっちへ…」

そして、作業を進めること、一時間ほどだろうか。
正面のおおきな窓の外、つまりベランダで、何やら物音。

ん? と顔をあげると、女の子が窓にはりついて、じーーっとこちらを見ていた。

( ^ω^)「あ……」

从*・∀・ノ!リ「!!」

目が合うと、少女はぴょんぴょん飛び跳ねた。
どうやら喜んでいるらしい。大興奮でジャンプするたびに、
セミロングの髪の毛と、スカートがふわふわ浮き上がる、後者は色々もろ見えだ。

しばらく見ていると、いや、下な意味じゃなく。
窓越しに籠もった声が聞こえてきた。

从*>∀<ノ!リ『あけてほしいのじゃー!!』

( ^ω^)「はーい、今あけますおー」

鍵を開けると、すぐに側にやってきて、僕の手を取った。
そしてぶんぶん振り回した、この子は妹者、言うまでも無いが、弟者さんの妹さんだ。

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:15:12.08 ID:xgXJR8gs0
妹者かわいいなw

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:15:12.69 ID:FN6ZWU3R0
从*・∀・ノ!リ「今日からって聞いて、ずぅっと待ってたのじゃ! 」

( ^ω^)「うん、今日からお世話になるお妹者ちゃん」

从*・∀・ノ!リ「任せるのじゃ、ないとーの世話は妹者がしてあげるのじゃー!」

両手で小さくガッツポーズをとる妹者ちゃん。
何とも微笑ましい、かわいいものだ、とりあえず撫でてあげた。
すると、えへへーって感じで、花咲くような笑顔を浮かべた。

それだけで早くも、来てよかった、と心から思った。

…思ったそばから。


「おっと、待ちな……ブーンの世話をするだと…?」


从;・∀・ノ!リ「はっ、この声は……」


どこからともなく、誰かの声が響いてくる。
妹者ちゃんは、どこか楽しそうに辺りを見回した。

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:17:48.59 ID:FN6ZWU3R0
そして、ガタガタッと激しい物音。
発生源はベッド、そのまま見ていると、下の隙間から手だけがニョキッと生えた。


「あ、ごめん、ちょっと引っ張ってくれる?」

从・∀・ノ!リ「マドハンドがあらわれた!」

从・∀・ノ!リ「妹者のこうげき!!」

「いたっいたいっ! ちょ、踏まないで、あ、今なんか変な音が!!」


おお、ベッドが暴れている。

あ、今頭をぶつけたっぽい音がした。

しょうがないので、生えた手を引っ張ってあげた、
すると、ズルズル引きずられて、マドハンドから人間が生えた。

(;^ω^)「で、兄者さん……そんなとこで何してるんですかお?」

( ´_ゝ`)「いやまあ何だ、驚かそうと思ったんだがね」

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:18:22.72 ID:pO0ynlBSO
なかなか面白そう。期待支援

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:19:47.63 ID:FN6ZWU3R0
( ´_ゝ`)「あとこれ、はい」

(;^ω^)「え? なんですかこれ、木の板?」

( ´_ゝ`)「取れちゃった」

(;゚ω゚)「壊すなぁ!!」


こちらは、白黒ジャージ姿の兄者さん。

流石家長男にして、こう言うのも何だが、わりとイケメンお兄さんだ、
顔だけみれば、かなりモテそう……なのだが。


( ´_ゝ`)「くく、かかったなアホめ、嘘に決まってるだろう」

( ^ω^)「そんな嘘をつく必要性はあるんですかお……」

( ´_ゝ`)「いや、だってほら、折角住むんだし、サプライズを」
( ^ω^)「やめてくださいですお」

( ´_ゝ`)「なんかさー、久しぶりに会ったっていうのに随分じゃなーい?」

(;^ω^)「いえ、そんなことないですお」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:20:48.47 ID:pO0ynlBSO
支援

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:21:12.81 ID:FN6ZWU3R0
(*´_ゝ`)「でも、そんなブーンちゃんがす・て・き…」

( ^ω^)「すいません、生理的嫌悪感がとまらないので、
       頬をすり寄せてこないでくださいですお」

(*´_ゝ`)「素直に気持ち悪いと言っても、 い い の よ」


変人で、何考えているのかわからない人だ、ちなみに重度のヲタクで有名。
何故か知らないが僕が大層お気に入りらしく、会う度に擦り寄ってくるこの始末。


( ^ω^)「ていうか、できれば、あまり近寄らないでほしいお」

(*´_ゝ`)「ふふ…素直になれよ、今日から俺たちは兄弟、なんだからさ」

(;^ω^)「いや、そこで何故服を脱ぐんだお」

( ´_ゝ`)「寒いから」

(;^ω^)「意味がわかりませんお……」

(*´_ゝ`)「さあ兄弟よおーーー! お前も脱げ、今こそ人肌のぬくもりを知る時だおおお!!」

( ;ω;)「いやああーーーーーーーーーー!!」


从*>∀<ノ!リ キャ

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:24:09.81 ID:FN6ZWU3R0
ちなみにその後、僕は裸にひんむかれ、
よくわからない流れのまま、何故か三人で仲良くお風呂に入ることに。

流石なお風呂は、一斉に入っても余裕があるくらいの、もはや浴場、ってサイズだった。


( ´_ゝ`)「はぁ…いい湯だな、っと」カポーン


( ^ω^)「流すお、目をつよく閉じてー」

从;>∀<ノ!リ「うー……」

( ^ω^)「はい、終わり」

+从・∀・ノ!リ+「ありがとなのじゃ!」

( ^ω^)「おっお、シャンプーハットなくても大丈夫じゃないかお」

从*・∀・ノ!リ「えへん、じゃあ今度はないとーを妹者が洗ってあげるのじゃ」

(;^ω^)「え、いや僕は…」

( ´_ゝ`)「よし、俺も手伝おう」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:25:26.55 ID:99DZErw20
支援

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:26:23.27 ID:FN6ZWU3R0
(;^ω^)「手伝うって、ちょ、なんで羽交い絞めに!?」

( ´_ゝ`)「妹者、今だ!」

从・∀・ノ!リ「りょうかいなのじゃ!!」

(;゚ω゚)「ぶっ、い、いきなり前かお」


从・∀・ノ!リ「ごしごしごしー、どうじゃー?」


(;゚ω゚)「ぎえっ!? ちょちょちょ、なんか尻に! 尻に熱を帯びた肉質的な硬さのナニかが!!
      ナニかがめっちゃ当たってるんですけどーーー!!」

( ´_ゝ`)「ふふふ…」

(;゚ω゚)「うわぎゃーーーーーーーーー!!」


从;・∀・ノ!リ「おろ?」


( ´_ゝ`)「案ずるな、これは妹者に反応しただけだ」

(;゚ω゚)「それはそれで大問題だ!!」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:26:49.06 ID:cjs9s1l/0
あー、面白いなこれ
起きて残ってたら支援する……

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:28:19.01 ID:99DZErw20
支援

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:28:30.92 ID:FN6ZWU3R0
从#・∀・ノ!リ「むー…無視されてるのじゃ…」

从#・∀・ノ!リ「なら、こうじゃ!!」

(; ω )「はうっ……!?」




「ちょ待っ……そこは………あああ」

「これは……おお、たくましい…」

「おろ?? なんか、ここだけ硬いのじゃ!」

「や、やめてーーーーーー!!」


………。




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:32:09.68 ID:FN6ZWU3R0
僕、汚されちゃった。

やって来て早々、肉体的にも、精神的にも。

今夜は枕を濡らすでしょう……。
うう、あんな小さい子相手に……。

傷心に暮れる僕へと、兄者さんは「兄は、誰もが妹に悪戯するもんさ」
と凄く気持ち悪い笑顔で、僕の肩をぽんと叩いた。

(  ω )(同レベル…って事かお…)

もう、立ち直れない…。

そう思っていた頃が、僕にもありました。
歓迎、なんて言われてご馳走を振舞われると、すっかり忘れちゃったから。

そして、就寝前。

( ^ω^)「……うん、準備おっけーだお」

鞄の中身を確認すると、壁にかけた制服を眺めて、明日を思う。
どんな所なんだろう、怖さと楽しみなのが入り混じって、とにかくドキドキする。

これじゃ緊張して眠れないかも、どうしようかな。
まあ、それで寝ないで遅刻、なんてテンプレをする訳にはいかない。
無理にでも寝よう、うん、そうしよう。

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:34:16.99 ID:FN6ZWU3R0
( ^ω^)「おやすみなさーい」


さあ、寝るぞ、目がさえてるけど、寝るぞ。

羊がいっぴきー、羊がにひきー。

そういえば、羊を数えるのって、元は英語のシープとスリープをかけた、
つまりギャグなんだよね、だから羊を数えても意味ないんだよね。

なら何を数えればいいんだろう……。

うーん……。


……。


( -ω-)「ZZZ……」


………。



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:36:23.75 ID:FN6ZWU3R0
< コケコッコー


早朝、僕は小鳥のさえずりで目を覚ました。
なんか違かった気がしないでもないが、まあ起きればそれでいいのだ。

少しだけ肌寒さを感じる、けど思いきって布団を跳ねのけ立ち上がる。
よーし、と背筋を伸ばして欠伸をひとつ。

いやもう、眠れないかもー、なんて考えていた自分が馬鹿みたいだ。
すっきり爽快です、よく眠れました、しゃっきりしてます。
早く学校に行きたいなぁ、そして、都会の友達を造るんだ……。


きっと、色々なお店を知ってるんだろうなぁ……。
すごいなぁ、かっこいいなぁ……。

そんな妄想をしている内に、すっかりテンション・フォルテッシモ。
綺麗でまっさらなシャツの長袖に腕を通して、片足立ちでズボンをはく。
はい、これで制服バージョンへウェイクアップ完了です。


(´<_` )「あれ、早いな」

( ^ω^)「おはようございますお!」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:37:41.14 ID:1xfptqIM0
これはいい

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:38:14.65 ID:FN6ZWU3R0
いそいそと洗面所へ向かうと、弟者さんが居た。
並んで歯を磨いて、ドライヤーで髪をセットする様を見て興奮したりして、
朝ごはんにパンを食べて、いってきます、と家を出た。


( ^ω^)「んー、朝日が気持ちいいお」


昇ったばかりの、柔らか日差しが僕をてらして、心地よい。
まだ星の見える空は、雪解けに咲く花のように煌いて見える。

あたりに人は全然居ない、なにせ本来出る時間より一時間も早いのだから、当然といえば当然か。


( ^ω^)「さあ、それじゃ……行くとしますかお」


早く出たのは、ただ興奮してるだけじゃない。
この辺りの地理を把握し、一番ちかい裏道を見つける為でもある。


そして、希望を胸に歩き始めること……二時間弱。


(;^ω^)「まずい……完全に迷ってしまったぞ……」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:39:58.88 ID:H//nuuBRO
支援

秒速5センチメートルを思い出した

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:40:13.57 ID:FN6ZWU3R0
いつの間にか、迷い込んだ見知らぬ住宅街。
もう、どっちに行っても同じに見える。

ていうか同じだろこれ、まあ屋根の色はちがうけど。
何だかRPGでよくある、色の順番どおりに進め的な物に見えてくる。

実際、適当に進んでいると、行き止まりだったりするから手に負えない。
誰かに電話するべきだろうか、いやしかし……。


:::(;^ω^):::「お゛お゛お゛お゛」


そんな事を考えていると、ポケットの携帯が震えだした。
常にマナーモードで、着信音なんか全然聞いてない携帯が震えだしたのだ。

慌ててディスプレイを見る、流石宅、と表示されている。

なんか、すごい、嫌な予感がしてきたんだですけども。
どうしよう、出なきゃ駄目かな、駄目だよね、でも怖いな、やだな。


(;^ω^)「……うう、もしもし」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:42:29.49 ID:4ePGwpnsO
支援島

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:43:22.99 ID:FN6ZWU3R0
≪ホライゾン、今どこにいるんだい?≫


電話の主は、母者さんだった。
ドスの利いた声に、僕はすくみあがった、
恐怖のあまり、目の前にあった表札を読み上げてしまった


(;^ω^)「は、はい、西川さんちの前…ですお…」

≪西川……? ああ、あいつか≫

(;^ω^)「知ってるんですか!?」


西川さんは、どこか僕に似ていた。

( ( ^ω^) :西川ホライゾンさん  )

そんな彼の協力の甲斐あって、とうとう念願の学校へたどりついたぞ!

ちなみに正解のルートは、紫→紫→赤→黒→黒→紫、だった。


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:45:14.95 ID:FN6ZWU3R0
(;^ω^)「おー……」

正門前で立ち止まり、棒立ちで見入ってしまう。
まず、なによりでかい、桁違いに色々でかい。

校舎へ辿り着くのに体力を使い切りそうな、巨大なグラウンド。
その奥にそびえる10階建ての四角い校舎には、大きな半円の穴が開いている。


形を表現するなら、凹←これを逆さにした感じ、つまり凱旋門だ。


意を決して正門をくぐり、ふと見上げれば監視カメラと目があった。
内心で悲鳴をあげた、ひぃい、僕なにもわるいことしてないよ、遅刻してるけど。


そうして、ビクビクしながら校舎への道を行く。
何処からか、運動をする生徒達の声がして、ちらっとグラウンドを見る。

<ぅぉぉぉぉぉぉぉ

赤い髪の女の子が、叫びながら走っていた。
うーむ、やたら速いなぁ……あ、また一人周回遅れにしたぞ。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:47:54.64 ID:FN6ZWU3R0
グラウンドの反対側には、大きな森がある。
木がいっぱい生えてる、もしかしたら庭園と言うのかもしれない。


( ^ω^)「お?」

今、その木々の奥に誰かいたような…。

紫色をした、髪の長い女の子だったような、
ってまあ、そりゃあ居るか、学校内だもの。


( ^ω^)「学校……うん、学校だお…」


なんとなく、遠い目。

正直、もう通うことは無いだろうと思っていたから。
こうして騒がしい喧騒の中に居ると、感慨深いものがある。


ほらまた、背の小さな女の子が、誰かを追いかけ、包丁片手に駆けて行くよ。


(;^ω^)「えっ!? ちょ、今のなに! 今の何!?」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:49:11.59 ID:1xfptqIM0
がんばれ

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:50:07.88 ID:FN6ZWU3R0
もしかしたら、ここは怖い所なのかもしれない。
そもそも学校のくせに、あまりにでか過ぎるじゃないか。
童貞ドーム何個分なんだ、いやそもそも、童貞ドームを見てみたいぞ。


そんなこんなでいぇい、こちらスネーク、校舎内部に潜入した。

(;^ω^)「けど、何処に行けばいいんだろう……」

やっぱりというか、内部もでか過ぎて、場所がさっぱりわからない。
ああ、この地に降り立ってからというもの、僕は迷ってばかりだ、迷い人だ。


仕方ないので、キョロキョロ見回し歩いていると、やがて案内板を見つけた。
ロリコンは病気です、のポスターが貼ってあるだけで、あまり意味はなかった。


(;´ω`)「うう……職員室はどこなんだお…」


( ・∀・)「あれ、わからないの?」


へにゃーっと呟いてみたら、なんだか反応が返ってきた、僕はマジでびびる。
見れば、僕と同じ制服を着た男の子が立っていた。

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:52:40.01 ID:FN6ZWU3R0
しかもよく見たら、すごい美形だ!びけいだ!ビケイダ!・・イダ!
たまらずエコーがかかる、なんか清潔感あるし、なんかアイドルみたいざます。

( ・∀・)「よければ、僕が案内するけど?」

しかも優しいようです、ああっ、歯が白い、なんか眩しいんですけど。
僕はしっぽがあったらぶん回す勢いで、お願いした。

道がてらにも、彼は見ず知らずの僕にあたたかく接してくれた。

( ・∀・)「転入生なんだー」

(;^ω^)「はいですお」

( ・∀・)「え、もしかして二年?」

(;^ω^)「そうですお」

( ・∀・)「あ、じゃあ同学年かー」

対する僕は、緊張してそれどころじゃなかった。
ろくに返事もできない僕だったけど、彼は笑顔で接してくれる。

ええ人や…しかも何かね、あれなんだよ、オーラが出てるよ、やばい。

( ^ω^)(……友達になりたいなぁ)

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:52:43.65 ID:vqR9l+dPO
C

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:54:34.82 ID:FN6ZWU3R0
もしこんな格好いい人と友達になれたら、それはもう素敵な学校生活が待ってるに違いない。
そうなれば、いろいろ大変だったけど、僕の人生オーシャンは順風満帆に違いない。

(;^ω^)(よ、よし…言おう、いやでも、まずは名前から……)


(;^ω^)「ぁの」
( ・∀・)「はい、ここが職員室ね」


( ・∀・)「え?」

(;^ω^)「あ、いや……」


(;^ω^)b「ありがとうございました、ですお!」

( ・∀・)「あはは、気にしないで、困ったときはお互い様ってやつだよ」


しかし、結局なにも言えずに到着してしまった。
とりあえずやけくそでお礼を告げた、なんか爽やかに返された、なにこの差。


( ・∀・)「それじゃ、僕は授業があるから」

ほら、しかも普通ここでお礼を言うべきだろう。
だってのに先走って言っちゃったから、今何を言えばいいのかわからない。

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:58:14.54 ID:FN6ZWU3R0
(;゚ω゚)「はっ、え、お、お疲れ様でしたあ!!」

(;・∀・)「ええ!? う、うん……」

出てきた言葉は、自分でもどうかと後悔した。

こうして、彼はちょっと困った風に笑うと、しずかに去っていった。
さようなら……僕の友達になってほしかった人。

まあ気を取り直そう。
むしろ、都会のレベルの高さを垣間見たと思えばいい。

…おっと、こんな事言ってるとまた、お前は都会を何だと思ってるんだ、とか言われてしまう。

( ^ω^)(気をつけよう…)



( ^ω^)「失礼しますお」


今度こそ、気をとりなおして職員室へ。
そこには灰色の机と、スーツやジャージを着た人がたくさん。
こういう部分は変わらないんだな、とホッとしつつ、自分が無視されていると気付く。

そりゃそうか、他の生徒がふつうに出入りしてるし。
とっとと誰かを捕まえて……えーと、その場合は……。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 23:59:36.07 ID:H//nuuBRO
支援

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:00:50.94 ID:JDBHPvME0
(;^ω^)「あ、あのー……」

( ><)「なんですか?」


( ^ω^)「……」

( ><)「……?」



( ^ω^)「……いえ、すいません、何でもないです」

(;><)「え?」

この人は、絶対に人選ミスだと僕の勘が言っていた、返される言葉が想像できた。
と言うわけで、それっぽい人を探してみる事にした。


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:02:42.97 ID:JDBHPvME0
まあ、スネーク的に考えるならば……。


……。


まず、後ろからこっそり近づき、あんたがジェイムスだな、と問いかける。

これですぐに僕の担任の先生が見つかるはずだ、我ながらナイスな作戦。

早速2人ほど実践してみたが、え? と普通にふりかえるばかり、
それっぽいと思ったのに、おかしいなぁ、と更に僕は続ける。
4人目の後ろをほふく前進していると、突然、上からの強力な圧迫。

(;^ω^)「ごえ…」

从'ー'从「あれれ〜、なにか踏んだよ〜」

( ^ω^)「顔をあげると、まだ若そうな女性教員が居た、なんとパンツが丸見えだ」

从;'ー'从「ええ〜〜!?」

おっと間違えた、こっちだこっち。
顔をあげると、まだ若そうな女性教員が居た、なんとパンツが丸見えだ。
僕は早速、パンツに向かって話しかけた。

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:03:55.22 ID:dOxuzI1X0
ちんぽっぽかわいい

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:04:28.59 ID:JDBHPvME0
……なんて事になったら大変なので。
前もって聞いていた担任の名前を、入り口の近くに居た教員に訪ねてみた。


( ^ω^)「あ、すいません、杉浦先生はいらっしゃいますかお?」

( ФωФ)「ん、それは俺だが……あ、内藤君?」


ビンゴだった、ていうか。

(;^ω^)(え、なにこの、なに、やく○の方……?)

めっちゃ顔こわい、スーツでオールバックに、両目に傷とか、
あんた教師やってちゃ怖いよ、まずくはないけど、こわいよう。
だって僕、遅刻してるんだもん、どう考えても怒られあばばばば。

( ФωФ)「たく……やっと来たか」

(li^ω^)「も、申し訳ございませんでした!!」

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:06:36.37 ID:JDBHPvME0
(#*‘ω‘ *) 「ぽっぽ!! ぽっぽぽ!!ぽーー!!」

( ФωФ)「そうそう、心配したよ、けどまあ迷ってるって話は聞いたから
       無事ついたみたいで良かった」

と思ったら、意外といい人っぽい。
見かけで判断しては駄目ですね、先生ごめんなさい。

いきなり割り込んできた、謎のぽっぽ屋さんは気になるが、スルーしておこう。

そして、僕は自分の学び舎へと案内された。
どんだけ歩くねん、と思わず内心突っ込みをいれるくらい歩いた。
階段つかれるよ……ていうか、もう疲れたよ…。


静寂につつまれる廊下を抜けると、やがて辿り着いた、一つの教室。

ドアの上に張られたプレートには、2−D、と書かれている。
当然ながら授業中らしく、教師の声だけが聞こえてくる。

あ、緊張してきた、やばい、胸ばっばく。

(;゚ω゚)(あわわわわ……)

気を抜くと、呼吸も忘れてしまう。
それくらいドキドキしていた。

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:09:58.29 ID:JDBHPvME0
(;゚ω゚)「……」


しかし、まだ入らないのだろうか、焦らされると余計に……。


(;゚ω゚)「先生、あの……」


Σ(;゚ω゚)「って居ねえ!!」


もう限界、と隣を見る、そこに居るべき教師の姿は無かった。
代わりに廊下の奥のほうに、あの男の背中が見えた。
まさか、ほんとに案内しただけなのか。


(;゚ω゚)(え、ええーー……?)


普通あれじゃないの? こう、転入生の内藤君でーす、みんなよろしくにゃん♪
みたいな教師からの紹介があって、そこで僕が、よろしくおねが(略)ってするんじゃないの?

なに、普通にこのまま入っていけってこと?

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:12:26.05 ID:JDBHPvME0
そんな無茶な。

ていうか授業中じゃん。

え?

なにこれ、羞恥プレイ?


(;^ω^)ポツーン


けれど、ふと見渡せば僕一人。
ただでさえ見知らぬ、こうも居心地のわるい場所に居るのはきつい。
精神的に、なんか泣きたくなってくる。

……い、行くしか、いくしかないのか…。

(;^ω^)「ごくり…」

息をのみ、後ろのドアに手をかける。
あ、胃がキリキリしてきた。
うあああ、これは死ねる。

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:14:47.47 ID:5H1UHrgoO
しえーん

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:15:23.22 ID:JDBHPvME0
ドアは意外にも、スムーズに開いた。
音も、ほとんどしなかったと思う。

すごい数の人の頭がずらーーっと並んでいる光景に、思わず立ち止まる。
どうやら、まだ大半は気付いていない、気付いているのは教師と、すぐ先にいる女の子。

どちらも、怪しい物を見るかのように見てくる。

教師の言葉がいきなり止まって、何事かと、他の生徒もちらほら僕を見る。

視線が痛い、いたいいたい、見ないで、みんといて。
でもそれ以上に、沈黙が耐え切れない。

(;^ω^)「す、すいません、お……遅れました」

从;'ー'从「え、えーと……君は、誰かな〜?」

まだ若そうな教師は、困惑しながら問いかけてくる。
ええい、もうこうなればやけだ。


(;^ω^)「今日からこのクラスで一緒に勉強する事になりました、内藤ホライゾンですお!」


(;^ω^)「色々教えてやってくだださいおですお!!」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:17:13.10 ID:JDBHPvME0
かんだ。

室内が、一斉にざわめく。

ていうか。

あああああああああ、何言ってるのちょっと僕これ。
いやさ、なんでこんな教師が紹介する感じの言い方なのさ。

あ、そっか、さっきこれをシュミレートしたから…。

いやそれにしたって、これは酷い、何これ、いやあああああああああああああ。


視線がそこら中からふりかかる。
痛い、痛いって、ほんとに。


ζ(゚‐ ゚;ζ「!!!!」

(li^ω^)(…う)


不意に、その内の一人と目があった。
何だか目を見開いて、やたらめった驚いた風に見つめてくる。
だからそんなに見ないでってば、穴があくよ、そろそろ。

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:20:03.41 ID:5H1UHrgoO
しえん

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:20:18.87 ID:JDBHPvME0
(; ω )(…お呼びでない? 失礼しましたーー!
       とか言ってドア閉めたら誤魔化せるかなぁ……穴があったら入りたいお…)

从;'ー'从「ぁ、え〜とぉ〜……うん、聞いてるよ〜、それじゃあ席は…」

教師はしばらく固まった後、一つの空席を指差した。

从;'ー'从「クーさんの隣で〜」

(;^ω^)「あ、は、はい!」

                           ,ピシ








( ^ω^)「え?」

なんだろう、今、室内の空気が変わったような。
……気のせいだろうか、なんか張り詰めた空気って表現がしっくりくるような。

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:22:11.35 ID:5H1UHrgoO
しえーん

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:22:12.24 ID:JDBHPvME0
とにかく、僕は針のむしろの隙間を通り抜け、指示された席へ向かう。
クーさんとか言ったか、あ、きれーな黒髪だな。

ちょっぴり邪な思いを胸に、まずはサッと座る。
もうこれ以上、立っていたくないお……。


(;^ω^)「あ、よ、よろしくですお……」


とりあえず、小声でクーさんとやらに挨拶。
柔らかそうな髪の毛が背中でゆれて、クーさんがちょっとだけこっちを向いた。

(;^ω^)(うわ……これまたすごい美人さん……)

川 ゚ -゚)「……」

流石都会だ、とか思って間もなく。
クーさんは無表情で僕を一瞥すると、すぐに前を向いた。

(li^ω^)(いま、いま目が、目がマジだった!!)

もしかして、なんか怒ってる……?
どどどどうしよう……いきなり嫌われた?

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:25:02.02 ID:JDBHPvME0
隣の席の人間に嫌われてたら、いろいろ困りそうだぞ。
楽しい学園生活、いきなりピンチですか。

川 ゚ -゚)「……よろしく」

かと思えば、前を向いたまま、ポツリと言った。
何ですか、今の間はなんだったんですか。

( ;ω;)(ひぃぃ……)

なんか怖そうな人だ…それに冷たそうだ……。
これが噂に聞いた、心を失くした都会の人間ですか。
なるべく関わらないでおこう、僕はそう決意した。

あと、相変わらす視線が痛いので、僕は机を必死で睨みつけ、素数を刻んでいた。

(;゚ω゚)(ふ、ふふ……素数っていくつだ…ふふ)

从'ー'从「あ、内藤君は〜教科書ないよね、クーさん見せてあげてくれるかな〜?」


しかし決意した側から、むりやり崩された。
心がギョッ、てした、ギョッ、て。

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:26:38.65 ID:5H1UHrgoO
支援

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:27:50.86 ID:JDBHPvME0
ビクビクしながら横を見ると、クーさんがその赤い瞳で僕を見ている。
ゴーゴンよろしく、僕は石のように固まった。


(;^ω^)(う……)

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「机、寄せて」

(;^ω^)「え゛!?」

(;^ω^)「あ、机、はいですお」

川 ゚ -゚)「書くものはある?」

(;^ω^)「あああ、あります」

川 ゚ -゚)「そう」


( ^ω^)「……」


(;^ω^)(おや?)

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:31:43.41 ID:JDBHPvME0
凄い嫌がられるに違いない、そう思ったのだけど……。
なんというか、中々どうして、自然だった。

クーさんはそれだけ聞くと、またすぐに前を向いてしまった。
そして無表情、だけど、今度は怒っているようには見えなかった。

思い返すクーさんの表情、吸い込まれそうなその瞳は、宝石のような赤色。
そうか、なんだか怖そうだったのは、この目のせいか。

( ^ω^)「……」

ちょっと体を傾ければ、肩が触れ合ってしまうような至近距離。
横目にちらりと移る、クーさんの横顔、緊張しきった胸が、ひときわ大きく高鳴るのを感じた。

そのとき、目下でぺらりとページが捲られた。
僕が見てない間に、進んでいるようだ。


川 ゚ -゚)「……」

(;^ω^)(……)


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:33:21.90 ID:5H1UHrgoO
4円

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:34:01.14 ID:JDBHPvME0
怖いとか、冷たそうとか思ってごめんなさい、クーさん。

僕はそっと心の中であやまった。
これじゃあ、心無い人間はよほど僕のほうだ。


こうして、深く反省しながら。


僕の、"新・学校生活"は、波乱の中でスタートと相成ったのでした。







                 Open your eyes for the next time...


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:34:08.92 ID:fy7+/XVn0
支援

82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:38:15.05 ID:Hvd3tijK0
今日はここでおしまいかな?

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:38:15.78 ID:fy7+/XVn0


読み直してくる

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:38:55.58 ID:JDBHPvME0
おわりです、しえんありがとうございました。
タイトルとプロローグの元ネタは、【いきものがかり・花は桜 君は美し】
ではまた

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:39:03.00 ID:5H1UHrgoO
おつかれさん。

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:39:56.61 ID:aA1olw6BO

おもしろかった

描写がいい感じです

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:53:38.57 ID:cz2YgUckO
良作age

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/03(金) 00:59:31.15 ID:47NO+Taz0
面白かった
次回作にご期待ください

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